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【MLB】日本ハムのキャンプ地はアリゾナNo.1評価の施設

 

アリゾナのキャンプ地施設でNo.1の評価を得ているダイヤモンドバックスのキャンプ地・ソルトリバーフィールズ。ここで日本ハムは充実したキャンプを送る(写真は手前がトレーナー処置室。奥がウエートルーム)


 日本ハムがキャンプで使用するソルトリバーフィールズはMLBでも屈指の施設である。完成は2011年だが、16、17年もボールパークダイジェスト誌にアリゾナのキャンプ地(15球団が参集)で一番と表彰された。

「われわれはマイナーとメジャーの選手両方からピークパフォーマンスを引き出せる機能的な施設を目指した。一日を効率よく使えるように、練習場から練習場へと移動しやすいデザイン」とはダイヤモンドバックスのグラハム・ロッシーニさん。

 キャンプにはメジャーキャンプ招待の約60選手、マイナーキャンプの約150選手、200人以上が集まる。これだけの人数に効率的に練習してもらうのは大変なことだ。

 筆者は実際に日本ハムが使うマイナーの施設を全部案内してもらったが、クラブハウス、食堂、トレーナー室、ウエートルーム、練習フィールドと広々してアクセスしやすかった。

 1980年代くらいまでは、ウエートルームがないだとか、練習フィールドが1・5面だとか、お粗末な施設が少なくなかった。それが90年代以降、球団を誘致しようと税金を投じて次々に豪華な施設が建設された。特にアリゾナはピオリア(94年)、サプライズ(03年)、グッドイヤー(09年)、グレンデール(09年)と、新しいものができるたびに中身が進化していった。ソルトリバーフィールズができたとき、現地メディアは「この施設は最新式という言葉を再定義した。デザイン、機能、快適さ、サイズなどで、これに近いものはなかった」と絶賛している。

 かつてはメジャーでも「野球の身体は野球で作る」という考え方が主流だったが、今はトレーニング、医療、栄養摂取への理解が深まり、球団も本腰を入れる。現ツインズのサド・ラバインGMは「今のMLBで浮沈のカギを握るのは、選手の身体を162試合どれだけ健康に保てるか、ケガをした選手のリハビリをいかに効率的に行えるかだ」と指摘していた。日本ハムがこういった最先端の施設を体験することで得られるものは少なくないだろう。

 ちなみに同施設の正式名称はソルトリバーフィールズ・アト・トーキングスティック。「TALKING STICK」とは羽のついた棒で、アメリカ先住民が会議の際、それを握っている人だけが話す権利があるとして、話し合いを円滑に進める手段に使った。翻って先住民の知恵を意味するのだが、この施設にはファンに快適に野球を楽しんでもらうための知恵がある。

 例えば本球場メーンスタンドの屋根は、伝統的なあずまやを参考に観客がアリゾナの強い陽射しにさらされることなく、パノラマの景観も楽しめるよう設計した。13時の試合開始時点でメーンスタンドの70パーセントの席、3時半から4時になると95パーセントの席が日陰になる。

 加えてファンは駐車場に車を停めてメーン球場に着くまでに、練習フィールド、ブルペン、打撃ケージのすぐ横を歩いて行ける。「コンセプトはオープンコンプレックス。ファンに練習に取り組む選手の姿を身近に見てもらいたい。一緒に写真を撮ったり、交流の機会も生まれる」とロッシーニさん。

 こういった工夫が実り、同施設は7年連続でオープン戦最多の30万人以上動員。施設を使うダイヤモンドバックスとロッキーズは昨季、プレーオフ進出を成し遂げたのである。

文・写真=奥田秀樹

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週刊ベースボール編集部

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