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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画123】『1960年オールスター熱戦号』【1960年8月17日増大号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『佐々木信也連載対談』で強打者談義


表紙は左から巨人堀本律雄、右・山内和弘


 今回は『1960年8月17日増大号』。定価は10円アップの40円だ。グラビアは巻頭が第2戦、巻末が第1戦で、いずれもオールスターの激闘。本文巻頭も『特集 オールスター戦秘録集〜“夢の球宴”の舞台裏をみれば…』だ。

 この年は久々の3試合制、しかも前日まで公式戦があったというからハードだ。巨人・王貞治、東映・張本勲が初めて出場した球宴でもある(いずれもファン投票)。張本は第3戦で殊勲賞となり、オートバイ、扇風機などの賞品を手にした。ちなみにオートバイは乗れますか、の質問には、

「乗れるには乗れるけど、免許証もってないんで」とのことだ。

 セの投手部門ファン投票1位は巨人・堀本律雄だったが、左足アキレス腱痛で急きょ欠場。本人は出たがったが、水原茂監督が「無理をするな。オールスターと日本選手権と、どちらが男の花を咲かせる舞台だ」と言って断念させたらしい。

 7月26日の第2戦の前にはOBたちが「モモタローズ」「キンタローズ」に分かれてのオールドスター戦を開催。場内放送は志村正順アナウンサーだったが、球場が一番受けたのは、「このあとオールスターという添え物があります」だったらしい。さすが志村アナ。

 おそらく球宴の合間に行ったのだろう。『佐々木信也連載対談』は「スギとシゲの身の上ばなし」で巨人・長嶋茂雄、南海・杉浦忠が登場。2人の夏バテ対策は、ドイツ製の「ニンニク注射」だった。近年のものと思ったが、意外と歴史は古いようだ。

 記事中、強打者談義があったので抜粋する。

佐々木 この間、三原さん(脩。大洋監督)が面白いことを言っていた。いまのプロ野球にすごいバッターが4人いる。山内(和弘。大毎)、長嶋、桑田(武。大洋)、それから中西(太。西鉄)だって。で、4人を比較してくださいと言ったら、長嶋はすごいカンと目がいいというんだね。

長嶋 うん。

佐々木 それから山内はうまいというんだよ。これはうまいバッターだ。中西は…。

杉浦 動物的なひらめきがある(笑)。

佐々木 それ言ってた。

杉浦 パッと球種を見分ける動物的なひらめきがある。投げた瞬間、このボールがどういうボールで、どのコースに来るかって。

佐々木 そのカンは一番鋭い。それからうちの桑田は4人の中で一番フォームが美しい。決まってるよって言うんだ。だから僕が思うに、一番波が少ないんじゃないかって。いまちょっと打てないけどね。

長嶋 桑田のフォームは絶対変わってない。そう言われりゃ、一定だもの。スタンスから構えから全然変えてない。

佐々木 そうだろ、シゲなんぞ……。

長嶋 僕らしょっちゅう変えてるよ。

佐々木 首をかしげたりな。おそらくシゲなんか目がよくて、それから手首がいいからあれで打てるけど、手首が悪かったらいまみたいなバッティングできないな。

 以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。

 現在、週刊ベースボール60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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