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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画179】首位攻防 中日−巨人の激突!【1961年9月4日増大号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『長嶋ジャイアンツ? 権藤ドラゴンズ?』


表紙は左から中日権藤博、西鉄・稲尾和久


 今回は『1961年9月4日増大号』。定価は10円上がって40円だ。グラビア巻頭はセの首位争いをしている巨人−日戦(中日球場)。8月22日は中日のサヨナラ勝ちで、サヨナラの打の江藤慎一が泣きながら濃人貴実監督と抱き合った写真からスタートしている。

 本文巻頭も『長嶋ジャイアンツ? 権藤ドラゴンズ?』。巨人の四番で打撃三冠のトップに立つ長嶋茂雄、新人ながら中日のエース・権藤博を軸に、この天王山決戦をリポートするものだった。巨人は7月末からの10連勝で2位以下を引き離す首位に立ちながら、8月に入って負けが込み、中日に抜かれ2位転落。この22日からの3連戦も1勝2敗と負け越した。中日の残り試合は43試合、濃人監督は現在24勝の権藤が35勝できれば優勝が狙えると話している。

 濃人監督の話は何度か書いているが、今回も強烈な逸話があったので紹介しよう。『期待にこたえる二人の新人投手〜権藤博、徳久利明』(徳久は近鉄投手)の中に、権藤が1回だけ濃人監督に雷を落とされた話が出ている。それは阪神戦の途中だった。前日、13回を投げた権藤は、きょうは自分の出番がないと思い、途中ベンチから抜け出し、サロンで一服していた。しかし、そのとき先発の板東英二が崩れてしまう。濃人監督は権藤を探すが、姿が見えず、しばらくしてベンチに戻ったとき、「ゴン、何をしておるか、キャッチボールだ」と怒鳴りつけた。試合後の濃人はこう言った。

「権藤を使うときは、勝てる自信があるからだ。だからワシも権藤の登板にはそれだけ細心の注意を払っている。きょうの場合もあと1回か2回だ。やはり権藤で逃げるよりほかに手がないし、あらかじめ権藤にそれを言ってあった。またコーチもこの意図を知っているはずだから、たえずそのつもりでいてくれなくてはいかん。そりゃワシも木石じゃないのだから、権藤の健闘には感謝している。心の中では両手を合わせていつも礼を言っているのだ」

 またセンターグラビアには、2年生エース、怪童・尾崎行雄を擁する浪商が夏の甲子園を制したという記事があった。

 以下、宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』が好評発売中。第3弾の『阪神編』も鋭意制作中です。

 では、またあした

<次回に続く>

写真=BBM
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