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プロ野球仰天伝説

助っ人プレーヤー第1号、ハリスの爆笑トリックプレー/プロ野球仰天伝説145

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

いつも『桃太郎』の歌を口ずさみ……


イーグルス・ハリス


 日本文化への興味もあって、米マイナーから1936年に名古屋に入団し、すぐ正捕手となったバッキー・ハリス。翌37年にはイーグルスに移籍した。さほど大柄ではなかったが(身長、体重は不詳)、肩が強く、よく座ったままのけん制で一塁走者を刺したという。

 トリッキーなプレーも多く、いつも『桃太郎』の歌を口ずさみ、打者に「オクサンゲンキデスカ」など、ささやき戦法を取ることがあった。

 イーグルス時代、古巣の名古屋でこんなプレーもあった。三走となったハリスは前年、バッテリーを組んでいたマウンドの森井茂投手に「ソノボール、ナンカヘン。ミセテ」と声をかける。森井はつい投げてしまったが、ハリスはもちろん、一目散でホームへ。

 バッティングもよく、37年秋にはリーグの最多安打でMVPにも輝き、38年春は本塁打王。夫人の強い希望により38年限りで帰国したが、通算打率は.309と安定。陽気な性格で、日本のファンにも人気が高かった好漢だ。

写真=BBM
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