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週刊ベースボール60周年記念企画

二刀流も楽じゃない/週ベ1962年5月21日号【216】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

ハイティーンの英雄・尾崎行雄


表紙は東映・水原茂監督


 今回は『1962年5月21日号』。定価は40円だ。この号も巻頭から「素晴らしき17歳尾崎投手」と東映・尾崎行雄の特集から始まる。ここまで6連勝だったが、5月8日の大毎戦(後楽園)では親指の爪を割ったこともあり、初黒星を喫した。50の質問というコーナーもあったが、妙な質問に妙な答えもあった。

──もし目の前で飛び込み自殺をしようとした人がいたら。

 えらい質問やな。僕だったら、つかまえて殴り飛ばしてやる。あれ、殴るのよくきくらしいですよ。

 う〜ん、そんなによくあったのか。

 尾崎に対する各チームの主力打者の言葉もある。西鉄・高倉照幸のように、

「高校中退の子どもの球が打てないとは情けない。いったい俺は野球を何年やってきたんだ。情けないよ」

 と嘆く声が多い中、南海・野村克也は独特だ。

「攻略法? オレなんかとは契約金が違うからな。俺が打ったら悪いだろ」

 さすがノムさんだ。尾崎は当時4000万円の契約金とも言われた。前も書いたようにいまの金額との比較は難しいのだが、4億円程度の感覚だろうか。

 捕手とレフトの二刀流をしていた中日江藤慎一佐々木信也との連載対談に出ていた。

 この年から外野とともに入団時にやっていた捕手との併用となり、打者としても四番で打ちまくっていた江藤。ただ、困っているのが、濃人貴実監督が、その日、外野か捕手かを試合前まで教えてくれないことだという。

「どっちか一本にしてくれたほうが楽ですな」とこぼしている。

 以下宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』『阪神編』『ロッテ編』が発売中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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