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週刊ベースボール60周年記念企画

正力松太郎は言う「2リーグは分裂ではなく分立だ」/週べ1963年4月8日号

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

柴田勲スイッチで順調スタート


表紙は巨人王貞治



 今回は『1963年4月8日号』。定価は40円だ。
 この号は創刊5周年記念号とあって、巻頭は読売新聞社主・正力松太郎、セ・リーグ会長・鈴木竜二、東映監督・水原茂の豪華座談会。
 テーマは『巨人軍30年の功罪』だ。

 これは巨人、そしてプロ野球の歴史を振り返るものだが、一つ印象的な個所がある。
 司会となった記者、のちの小社顧問・田村大五がよく酒を飲んで話していた話だ。

 この座談会で、正力に対して、「2リーグ分裂」と言った途端、正力の顔色が変わったらしい。
「あれはキミ、分裂じゃなく、2リーグを作ろうとして僕は非常に骨を折ったんだよ」
 当時を振り返れば、まさに分裂だったが、この後、本誌では「2リーグ分立」と表記するようになったという。 

 なお、この年、巨人は30周年としてさまざまな行事をしている。この周年がなかなかややこしいのだが、巨人創設は1934年で、現在は4のつくシーズン、直近であれば2014年を80周年としていた。
 まあ、めでたいことだから多少、あいまいでもいいのか。

 一軍に先立ち、イースタンは3月21日に開幕。注目は前年投手として入団し、野手に転向した巨人の柴田勲だ。一番ショートでスタートし、自慢の足と挑戦中のスイッチも好調のようだ。牧野茂コーチも、
「どうです。柴田の足の良さ。絶好のトップバッターでしょう。それにスイッチヒッターもいけるでしょう」
 と大絶賛。
 慶大で強打の捕手として鳴らした巨人・大橋勲は、この年の新人研修制度で50試合出場できず、二軍スタートとなった。
 おそらく研修制度がなければ、川上哲治監督も打力を買い、守りには目をつぶって一軍で使ったはず。これもまた、一軍正捕手・森昌彦の強運か。

 ではまたあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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