自身3度目のトリプルスリー達成へ、力強く進んでいる。
ヤクルトの山田哲人が、記録的な猛暑の中でその打棒を発揮し続けている。
8月1日の
広島戦(神宮)、7回二死一、三塁、甘く入った変化球をとらえると、打球は左中間へ一直線。連続試合打点を「10」に伸ばした。山田哲は前日の同カードで適時打を放っており、1997年の
池山隆寛(現
楽天二軍監督)、03年の
ラミレス(現
DeNA監督)、14年の
川端慎吾の持つ連続適時打の球団記録「9」に並んでいた。1日の一打で単独トップに立ったことになる。
さらに2日の同カードでは、7回二死一塁から25号2ラン。昨季の本塁打数を超えるとともに、連続試合打点を「11」に。これは04年の
ペタジーニ(
巨人)以来、史上7人目の記録で、日本選手では
西沢道夫、
長池徳二(阪急)らに並ぶ最多記録だ。
ここまでくれば、バース(
阪神)が86年にマークした13試合のプロ野球記録も見えてきた。92年生まれの山田哲にとっては生まれる前の出来事だが、「バースは助っ人No.1というイメージ」と本人は語る。それでも「良い場面で回ってきたら、チームのために打ちたい」と、個人記録にはこだわっていない。本塁打による打点も多いが、適時打は前を打つ
坂口智隆や
青木宣親ら、前を打つ打者たちの出塁があってこそ。好調打線の力を借りながら、山田哲が大記録達成に挑む。
文=富田 庸 写真=BBM