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週刊ベースボール60周年記念企画

ドラフト制度のきっかけは高橋一三の二重契約事件?/週べ1964年8月17日号

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

金田を狙うジャイアンツ


表紙は左から中日江藤慎一阪神吉田義男


 今回は『1964年8月17日号』。定価は50円だ。
 セは首位大洋が7月26日から7連敗し、阪神に追い上げられるが、巨人は蚊帳の外。そんな中で巨人が国鉄・14年連続20勝をマークした金田正一取りに本気になっているという記事があった。

 金田に関しては、年俸の高騰に加え、チーム内の国鉄派と産経派の争いもある。産経派は将来的に豊田泰光の監督を考え、国鉄派の金田の放出に乗り気とも言われる。

 この話を金田にぶつけると、
「ジャイアンツが僕を狙ってる? いい話じゃないか。5年ほど前にヤンキースから話が来たしな」ととぼけ、日本の、というと、
「球団がワシの給料が高すぎて払えんと言ったら、払えるところに行くさ。巨人くらいしかゼニが出せんか。ただ今の巨人ならいろいろな支障が出るんやないか」
 試合中のベンチでトレーナーに堂々とマッサージを受けている写真もあった。自由な人だ。

 ほか巨人は中日の江藤慎一。新人では上尾高の山崎裕之、中大の末次民夫の獲得に動いているようだ。
 山崎は埼玉大会で敗れ、甲子園には届かなかったが、ヤジがすごかった。
 凡退すると「それが5000万か。野球なんかやめて家で餅をついていろ(実家が餅菓子屋)」。これはこの試合の前にあるスポーツ紙が「山崎に5000万」と書いたせいだった。

 前号で山崎とともに触れた北川工高の高橋一三。巨人に直前で強奪された近鉄は、江田スカウトがショックで寝込んでしまったという。
 永江社長はもともとこの時期の高校生選手との契約がルール違反だったこともあり、
「うちは契約しておりません。巨人がやったということも知らない。夏の大会期間中だし、ルールを守って、交渉した覚えは一切ありません」
 ととぼけた。しかしはらわたは煮えくりかえっていたようで、その後のオーナー会議で、
「契約金の高騰で経営は四苦八苦。この辺で契約金を抑える方法を真剣に討議する必要がある。将来のわからぬ少年にばかげた契約金を出すほどおかしいことはないだろう」
 と申し出た。これに西鉄・西亦次郎らが大賛成。巨人以外の11球団も概ね乗り気だったようだ。
 この会議で西がドラフト制度の草案を出したという話もあるが、この号では「ドラフト」の文字は出ていなかった。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM


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