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週刊ベースボール60周年記念企画

8時半の男、巨人・宮田征典フル回転/週べ1965年7月5日号

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、平日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

大阪球場の閑古鳥


表紙は巨人宮田征典



 今回は『1965年7月5日号』。定価は50円だ。
 セは巨人が首位。ただ、“やったるでえ”と自身も張り切り、チームも大きな期待を寄せていた国鉄から移籍1年目の金田正一が6月14日から左ヒジ痛で10日間の休養となった。ペナントレース途中離脱は初めてだったらしい。

「10日くらいの辛抱や。野球を忘れ、先生の指示を聞いてしっかり治すことにした。まあ、見といてくれ。この程度でくたばるワシやないで。きっとよくなってみせる」(金田)

 ただ、チーム自体は皮肉にも、そこからさらに勢いが増す。
 立役者が6月17日現在、9勝1敗、防御率1.69で、ともにリーグトップに立つ救援投手・宮田征典だ。25試合登板のうち23試合までがリリーフで規定投球回に到達していた。
 さらにすごいのは勝利への貢献。宮田が登板した試合のチームの勝敗は18勝6敗1分、宮田が投げなかった日は、11勝12敗。9回1イニングの勝利の方程式ならともかく、25試合で63回3分の2に投げているのもすごい。
 ついに「8時半の男」の異名も本誌上に登場したが、この号では、その由来までは触れていない。

 王貞治以外の一本足打法も話題になっていた。6月20日現在で.308、12本塁打の大洋・黒木基康だ。前年7月に岩本コーチに言われ、始めたもの。南海ではやや小粒ながら小泉恒美も一本足打法だった。

 なお南海は6月18日時点で2位に17ゲーム差。もはや優勝は確定となったためか、パの球場は完全に閑古鳥が鳴く。「入らんなあ、どないなってるんや」が鶴岡監督の口癖になっていた。

 西鉄ではルーキー、池永正明が6勝目をマークし、新人王戦線に名乗りを上げた。
 一方、同じ西鉄の新人・尾崎正司もリリーフで頭角を現す。口数は少ないが強心臓で鳴らし、好きな映画を聞かれ、
「ほら、十八歳未満お断わり」
 とピンク映画の話を始め、質問した記者を唖然とさせたこともあったとか。

 では、またあした。今年もよろしくお願いします。

<次回に続く>

写真=BBM

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