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週刊ベースボール60周年記念企画

栄光なき力投、織田光正/週べ1965年8月2日号

 

昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、平日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

長嶋茂雄のおむつケージ


表紙は巨人長嶋茂雄


 今回は『1965年8月2日号』。定価は50円だ。
 7月17日、南海・林俊彦が西鉄戦で完封勝利。これで開幕から無傷の11連勝(当時のパタイ記録)となった。さらにオールスターもファン投票も第1位で選出。うれしい初出場を決めている。
 低めの速球とカーブが武器の左腕。中京商から入団3年目で、過去のキャリアハイは64年の3勝5敗だった。

 巨人・長嶋茂雄が自宅でティーバッティングできるようバッティングケージを設置した。経費は20万円という。
「俺はティーが好きなんだ。これのおかげでいつでも打ちたいときに打てるだろ」
 さらに意外な使い方も披露。
「雨が降ったら雨天用の物干し場にもできる。でもさ、雨が降ってよしやるかと思ったら、おむつがいっぱいで練習できないとなったらお笑いだね」
 翌春には第一子誕生予定。気持ちはもうパパだった。

 メジャーではジャイアンツの村上雅則が素晴らしい活躍を続けている。
 ジャイアンツのジャンセンコーチは、
「村上にまず感心するのは頭を使うピッチングをしていることだ。しかも彼のコントロールの良さは私たちが驚くほど優れている」
 と絶賛。なお村上の愛称はマッシ―だが、チーム内では「レタスボーイ」とも呼ばれていた。
 理由は「レタスの入ったサラダがものすごく好きだから」(ハイアット捕手)とか。

 7月13日、「栄光なき力投」というテレビ番組が放映された。
 主役は阪神の46番、織田光正。60年に観音寺一高から阪神入り。2年目にバッティング投手となり、二軍ですら登板はなくなった。
「そりゃ僕だって、これまで何度もこの世界から足を洗いたいと思いましたよ。将来に希望を持てないというのがどんなに苦しいものか。それは同じ立場になってみなければ理解できません」
 番組では、織田が救いを信仰の道に求める様子が描かれていた。

 なお、織田の一軍成績を見ると28試合に出場し、打席なし盗塁2、一塁と外野を守った記録がある。遠征先の試合などで、試合終盤人数が足りなくなった、という状況だろうか。

 では、また月曜に。

<次回に続く>
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