千葉ロッテマリーンズ
開幕当初は
ハーマン、
ジャクソン、
益田直也で勝ち継投を形成するも、ジャクソンが7月に緊急退団。すると、故障から復帰した
唐川侑己が奮闘し、勝ち継投入り。9月には
巨人から交換トレードで入団した澤村拓一が加わり、7回・唐川、8回・澤村、9回・益田と、盤石の勝ち継投を形成した。彼らを含む救援防御率はリーグ2位の3.30を記録と、“逆転の”と形容されたチームを支える奮闘ぶり。オフに澤村が海外FA権を行使して去就は未定も、唐川はFA権を行使せずに残留を決意。ハーマンとは、いまだ契約交渉中だが、不動の守護神・益田は健在。
松永昂大がFA宣言しており、左腕不足がやや心配ではあるが、来季も接戦をモノにできるブルペン陣となりそうだ。
福岡ソフトバンクホークス
今季も安定感は揺るがず。リリーフ陣の防御率2.60は、12球団で唯一の2点台。それを支えたのが8回のL.モイネロ、9回の
森唯斗という不動の2人だ。彼らにつなげば勝利は約束されたも同然で、今季もともに50試合以上に登板するフル回転を見せた。2人につなぐ7回はシーズン通じて固定はできなかったものの、
高橋礼や
泉圭輔、
岩嵜翔らが代わる代わる入る形に。
嘉弥真新也が1イニングを抑えるケースも見られた。その中で、シーズン終盤、力を発揮したのが岩嵜。岩嵜を来季、7回に固定できれば勝利の方程式はこれまでにない盤石なものとなる。また、手術からの復帰が期待される
甲斐野央らをはじめ、開幕一軍入りに向けては熾烈な争いが繰り広げられる。
埼玉西武ライオンズ
11月3日の
日本ハム戦(メットライフ)は今季の「戦い方」を象徴する戦い方で白星をつかんだ。先制され、1度は逆転したが、再逆転を許したが6回から
小川龍也、
森脇亮介、
平良海馬、増田達至と勝ちパターンのリリーフ陣が「0」を刻む間に同点、そして勝ち越した。
辻発彦監督は「後ろの投手がしっかりしている。相手より1点でも上回っていれば抑えてくれる」と会心の勝利を振り返った。開幕当初は平良、
ギャレット、増田とつないでいたが、夏場を過ぎると不調のギャレットと入れ替わり、森脇が台頭。1点勝負を勝ち切る「勝利の方程式」を築いた。守護神の増田は初のセーブ王を獲得。FA流出が懸念されたが、残留を選んだ。来季へ向け、不足していた中継ぎ左腕が台頭すれば、さらに盤石になる。
東北楽天ゴールデンイーグルス
リーグワーストの中継ぎ防御率4.34。そして12球団ワーストとなる32度の逆転負け。この2つの数字だけで、2019年シーズンの苦しさが見て取れる。中継ぎ以降が崩れ、序盤のリードを吐き出すシーンが何度もあった。19年のセーブ王・
松井裕樹が先発に再転向し、森原康平が抑えの座に就いたが、救援失敗が相次ぐ。中継ぎに配置転換されても狂った歯車を元に戻せず、防御率7.56の成績に終わった。新助っ人の
シャギワも防御率5.81と振るわず、救援失敗を連発。
ブセニッツ、
牧田和久が代役クローザーを務めるなど、混乱が続いた。松井が救援に戻る2021年、ブルペン陣の再編成が最重要課題となっている。
北海道日本ハムファイターズ
中継ぎ防御率3.93はリーグ4位。実績のあるリリーフ陣が実力を発揮できなかった。2019年は60試合に登板した
石川直也が開幕前から右ヒジ痛を抱え、シーズン途中でトミー・ジョン手術を受けて一軍登板ゼロ。守護神・
秋吉亮が不調で9月以降はクローザーから配置転換した。代わりに抑えに回った宮西尚生は、通算700試合登板、通算350ホールド、新人から13年連続50試合以上登板と数々の記録を達成。百戦錬磨の鉄腕がリリーフ陣を引っ張ったが、全体としては不安定なブルペンになった。49試合登板で勝ちパターンの一角を担った
玉井大翔は万全を期してオフに右ヒジを手術し春季キャンプに合流予定。来季は秋吉が復調し「勝利の方程式」復活なるかがカギだ。
オリックス・バファローズ
セットアッパーのヒギンス、抑えの
ディクソンはほぼ固定で戦った。ヒギンスは41試合登板で、防御率2.40と力のある直球で安定した成績を残したが、ディクソンは39試合で防御率3.32と4敗を喫するなど精彩を欠いた。来季で37歳を迎えるディクソンは、抑え候補に挙がるだろうが、絶対的な存在ではなないだろう。若手の台頭が待たれる中で、
漆原大晟が2セーブを挙げるなど、次代の抑え候補に挙がり、中継ぎでも左の
富山凌雅の右の
吉田凌が着実に力を付けている。昨年に
黒木優太が、今年に
近藤大亮がともにトミー・ジョン手術を受けて離脱中。新たな戦力でブルペンの層を厚くしたい。
写真=BBM