キャンプからオープンと各チームが調整を続ける中で、さまざまな手応えとともに、誤算が出てきた。ここでは担当記者が、開幕までに解決すべきポイントを選び、検証をする。 昨季も開幕前は……
3月15日時点でオープン戦8試合を消化し、12球団最多の17盗塁と足を絡めた攻撃を展開しているオリックス
◎DATA
[2017年チーム盗塁数]
33盗塁(12球団最少)
出塁すれば果敢に次塁へ。走塁意識の向上を随所に見せている。
昨季12球団最少の33盗塁に終わり、キャンプ期間中の紅白戦から、盗塁やエンドランなど、足を絡めた攻撃を多用。オープン戦でも3月3日の
DeNA戦(京セラドーム)の初回に一走・
ロメロ、二走・
安達了一がダブルスチールを敢行すると、暴投を誘って1点を奪うなど足で相手をかく乱した。
7回には一走の
宗佑磨がディレード・スチールを決めるなど、チーム計4盗塁。翌4日の同戦(ほっと神戸)でも、1点を追う7回一死三塁から
小田裕也が二ゴロを打つと、三走・宗が迷わず本塁に突入して同点に。野選で出塁した、その小田も、すぐさま二盗を決めた。
ロメロ、
マレーロの両助っ人に、
吉田正尚、T−岡田の“強打者カルテット”が打線の売りも、長いシーズンでは、不振に陥ることもあれば、故障する可能性もある。だからこそ、“足”を絡めた攻撃の強化を図り、その取り組みをオープン戦で実践している。
ただ、こうしたシーズン前の“姿勢”は昨季も同様だった。オープン戦では足を絡めて相手を揺さぶるも、開幕後は犠打を多用。2ケタ安打を放ちながらも敗れる試合も多々あり、拙攻を繰り返した。長打に頼る攻撃が度重なる大型連敗を招き、終わってみれば3年連続Bクラスに。
苦い経験を糧にして、今季こそ
福良淳一監督が掲げる“スキのない野球”を展開できるか。豊富な投手陣にパンチ力のある打線。そこに“足”が加われば、勝算が増すのは間違いないが、果たして――。
写真=佐藤真一