キャンプからオープンと各チームが調整を続ける中で、さまざまな手応えとともに、誤算が出てきた。ここでは担当記者が、開幕までに解決すべきポイントを選び、検証をする。 投手陣も手伝い育てる!
甲斐がいるとはいえ、谷川原(写真)や九鬼の成長も必要不可欠だ
◎DATA
[2017年捕手一軍出場試合数]
甲斐拓也102試合、
高谷裕亮 92試合、
鶴岡慎也 24試合(移籍)
栗原陵矢 3試合
開幕を前に黄色信号点滅中なのが捕手陣だ。キャンプ終盤に高谷裕亮が右ヒジの関節炎、栗原陵矢が左肩の脱臼で相次いで離脱。2月27日に高谷が、3月8日に栗原が手術を受け、復帰までは高谷が3カ月、栗原が6カ月を要する見込み。さらに、3月6日の
西武とのオープン戦(ヤフオクドーム)で
堀内汰門が右手親指を脱臼(幸い大事には至らず、13日の教育リーグ・
オリックス戦で実戦復帰)と、受難が続いている。
こうなると、甲斐拓也の独り立ちに命運がかかっていると言っても過言ではない。思わぬ重責を背負うことになった甲斐だが、日本代表でも経験を積み、頼もしさは増すばかり。6日の試合でも急遽出場が早まったにもかかわらず、動じることなく安定したプレーを見せた。甲斐自身、今季は「正捕手を取る」と意気込み、オフから課題のバッティングにも取り組んできた。チーム状況が変われども、やるべきことに変化は見えない。
とはいえ、バックアップは必要。甲斐を除く残る捕手のうち、13日時点でオープン戦の出場があるのは3年目の
谷川原健太と2年目の
九鬼隆平。
達川光男ヘッドコーチは「大事なのはキャッチング」と語り、若手捕手陣に「
サファテの剛速球、岩嵜(翔)のフォークを捕れるようになること」を求める。いきなりの超難題だが、逆にこれがクリアできたら大きな飛躍となる。
また、若手捕手陣の指導にはコーチ陣だけでなく投手陣も一役買っている。サファテや
バンデンハークら外国人投手も「できる限りのことを教えたい」と前向きだ。チーム一丸でこの危機に立ち向かっていく。
写真=湯浅芳昭