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中日・大野奨太捕手 生かせ元パ捕手の強み/交流戦のキーマン

 

パ・リーグからFA移籍した大野奨太


 その頭脳には、パ・リーグの猛者たちの生きたデータがたっぷりインプットされている。昨季までの9シーズンは日本ハムでプレー。FA権を行使して中日入りした大野奨太が持つ情報量はチームにとっても大きな武器になる。

 「僕が知っているのは、日本ハムで受けているときの相手のデータ。参考にはなりません。実際にやってみないと分からない」。決して大言壮語のタイプではない。そうは言っても、その経験値が最も生かされる舞台は、やはり交流戦になるだろう。

 パ・リーグの打線の特長も体感している。「今、誰が調子良いのかを見極めることが必要になる」。指名打者制の野球。ラインアップに強弱は少ない。投手が入るセの野球とは趣が異なる。

 長年の懸案事項だった正捕手の座を期待された今季の現状は、満足できるものではない。昨年秋に手術した右ヒジの状態が上がらず、開幕直後は松井雅人との併用。4月11日には死球による脳振とう特例措置で、出場選手登録を抹消された。その後も捕手は併用起用が続いている。

 それでも、信望は高まっている。5月18日の阪神戦。ナゴヤドームで今季2号を放つと、無視を決め込む「サイレントトリートメント」で祝福された。「何となく気づいていました。でも、恥ずかしかったですね」。

照れ笑いの顔には、歓迎を受けたうれしさもにじむ。交流戦は、一気に上位進出を狙う絶好の機会でもある重要な18試合。大野奨がそのキーマンであることは間違いない。

写真=BBM

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