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燃える男・大島の本領発揮【大島康徳の負くっか魂!!第73回】

 

少しおなか出てますね


楽しい福岡の1日


 いやあ、毎日、暑いですね。

 ウチの家は、いろいろな事情があって特別暑いので、今は、おやつのアイスが本当に美味しい。

 この間は、セブンイレブンでイチゴじゃないほうの『白くま』を買って食べましたが、これがまた絶品でねえ……失礼、週べは野球雑誌でした。スイーツ話はブログに書くことにしましょう。そちらもお楽しみに。

 7月26日、福岡に行ってソフトバンクロッテ戦(ヤフオクドーム)の解説をしてきました。NHKの中継で、広島の鉄腕・大野豊さんとダブル解説です。

 試合前にはソフトバンク・工藤公康監督、達川光男ヘッドコーチと懐かしい昔話に花を咲かせ、試合後には、中継のスタッフのみんなと美味しい博多料理に舌鼓。楽しかったし、うまかったなあ……あれ、また食べ物の話になっていますね。

 開き直るわけではありませんが、食いしん坊なので仕方ありません。美味しいものを最高の仲間(もちろん家族もです)とワイワイ言いながら食べることは、本当に幸せなことだし、元気の源にもなります。

 もちろん、仕事は仕事で100%、頑張りましたよ!

 以下、ゲームのショート解説です。

 この日の試合は、序盤は投手戦になり、ソフトバンク先発・石川柊太、ロッテ先発・二木康太とも好投を見せましたが、6回にロッテが4点を先制しました。

 しかし、ソフトバンクは9回裏、土壇場で追いつき延長10回にサヨナラ勝ち。まさに「鷹の祭典」に相応しい大興奮の試合となりました。ホークスファンの皆さんには、たまらない展開だったと思います。

 ただ〜し! プロ野球解説者の私から一言申し上げますと、現状の成績が物語るとおり、まだまだソフトバンクは本調子とは言えません。

 昨年までの相手を“圧倒するような力”を感じることはできませんでした。

 課題は、やはり投手陣でしょうね。打線の力で押しきれるかどうかの試合が続くと、やはりキツイですよね。首位とは大きく差をつけられていますし、ここから上昇気流に乗るためには、なんとか投手陣をきっちりと整えたいところです。

 対するロッテは絶対に勝たなければいけない展開でしたね。

 課題はソフトバンクと同じですが、投手陣、特にリリーフ陣の不調です。先発の二木は素晴らしいピッチングをしましたが、リリーフ陣が勝ちパターンでの継投で失敗。こういうゲームが続いているのですから、やはりキツいと思います。

 井口資仁監督は、思い切った継投パターンの変更も考えるべきかもしれませんね。

胴上げは許さん!


 話を戻しましょう。

 前回は1992年シーズンの話をしましたが、この年は西武と近鉄の2強と、ほか4弱の展開で、日本ハムは勝利5割に行ってないのに、夏場まで3位だった時期もあります。少し広島1強の今年のセ・リーグに似ていたかもしれないですね。ただ、9月に入って一気に負けが込み、最終的には5位で閉幕となりました。

 終盤で覚えているのは、9月29、30日の西武戦(東京ドーム)です。そこまでチームは7連敗。正直、雰囲気もボロボロ、ひどいものでした。僕は、若手への切り替えもあって代打が続いていたんですが、結果を出していたこともあって、この2試合はスタメンで起用されています。

 実は、かなり燃えていました。この2戦に西武は優勝がかかっていたんですが、日本ハムは90年も91年も西武に目の前で胴上げされていたんですよ。プロ野球選手として屈辱と言うしかない。やるっきゃないでしょ(古いか)。なのに日本ハムの選手はみんな下を向いていた。それじゃ、いかんでしょ、やっぱり……。

 29日の試合も西武にあっさり先制され、0対3で迎えた8回裏でした。それまでの僕の打席は……やっぱり忘れてますね、マイ担当さかもっちゃんに用意してもらった記録を見てみましょう。

 3打席凡退か。さっぱりですね。ただ、ここは燃えていましたよ。その前に1点を取り、スコアが1対3となっていたのもそうだし、走者は2人でしたが、実は前の打者、四番のウインタースが2打席連続の敬遠だったんです。なめられてたまるか! と。

意地のタイムリー


 ただ、カッカしても冷静なのが僕です。相手先発の郭泰源の初球を真っすぐと読んでフルスイング。ライトスタンドへの逆転3ランです。

 試合はそのあと9回表に追いつかれて延長戦。それで11回に1点を取られ、その裏でした。片岡篤史がタイムリーで同点とし、そのあと、また二死走者2人で僕です。ヒットが出たらサヨナラもあります。

 よし、また来たぞ、見とけ、西武! と燃えましたが、結局、ピッチャーゴロ……。これで時間切れ引き分けでした。まあ、こういうこともよくあります。なんたって2500試合以上出ているベテランですからね。

 続く30日は前日に続き満員です。当時、巨人戦ならともかく、日本ハム戦で東京ドームが満員になるなんてめったになかった。当然ながら西武ファンが多かったですけどね。

 この日は、日本ハム先発の西崎幸広が崩れ、初回に7点を奪われたんですが、ウチも前日の勢いが残っています。1、2回で3点を取って、5回、またも二死ながら走者2人で僕の打席を迎えました。

 西武も前日のホームランが頭にあったんでしょう。威かくもあってか、初球いきなり顔面近く。相手はコントロール抜群の石井丈裕でしたし、瞬間プッツンです。「ふざけるな!」と叫びながらマウンドに向かうと、両軍ベンチから飛び出して乱闘寸前になった。

 ただ、このときも僕はカッカと熱くなりながら芯は冷静でした。プロレスラーじゃないんだから野球の借りは野球で返すしかないですしね。

 で……みなさん、ここは読み落としてほしくないんですが、この後、石井から2点タイムリーヒット! どうです。燃える男・大島の本領発揮です。気分は長嶋茂雄さんですね。

 試合は味方の投手が終盤崩れ、5対14で大敗し、結局、西武の胴上げ3年連続目の前で見ることになりましたが、少しは意地を見せたと思っています。

 どうですか。のんきに毎日スイーツを食べているだけのオジサンじゃないことは分かっていただけたでしょう。たまには、こういう話も書いておかないとね。

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