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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「打者にとっての原点であり、一番大切で反復してほしい練習。今こそ素振りの再認識を!」

 

打者の基本は素振り。バットを振り続けることが一流打者への近道だ。筆者の左は王


素振りで自分の形を作る。毎日300本がノルマ


 5月末までの緊急事態宣言の延長を受けて、自粛生活が続いていると思うが、もうしばらくの辛抱だ。こればかりはどうにも仕方がない。国家の一大事。命より大事なものなどないし、自分の家族や友人が新型コロナウイルスに感染したと思って真剣に向き合ってほしい。

 そんな中、台湾に続いて韓国のプロ野球も無観客ながら開幕に踏み切った。日本とは事情が異なるのかもしれないが、こんな危険な時期に大丈夫なのかと心配になる。日本もまもなくという声が出ているようだが、もう少し落ち着いて、それこそ感染者がゼロに近いぐらいになってから開幕を迎えるべきだ。前にも触れたと思うが、選手から一人でも感染者が出てしまったら取り返しがつかないことになる。そのときは誰が責任を取るのか。そもそも命を落とすことになったら、責任の取りようなんていう問題ではなくなる。

「早く野球を見たい」というファンの気持ちも分からないではないが、あとしばらくの我慢で、この国難をみんなで協力して乗り越えることができるはずだ。まずは新型コロナを完全に封じ込め、感染のリスクなしで安心して過ごせる日を取り戻すことが先決。ここで慌ててしまっては元も子もない。その日は必ずやって来るのだから。

 自粛生活の中で、選手たちも自宅でトレーニングなどして体を動かしていると思うが、この機会にぜひ素振りの大切さを再認識してもらいたい。打者の原点は何と言っても素振りだ。打者にとっては一番大事な練習方法でもある。素振りというのは、その人にとって一番理想の形。実際にボールは飛んでこない。だから自分のタイミングで、力強くバットを振ることができる。

 ただ、漠然と素振りをしているだけでは意味がない。無心で振り続ける場合もあるが、ある程度の量を振り込んだら、自分でイメージを描きながら振っていく。速いストレートや遅いストレート、カーブだ、チェンジアップだ、フォークだと、具体的にイメージしながら振っていったほうが効果は高い。遠いボール、近いボールと、コースも考えていると、かなりの量になる。

 私は現役時代、就寝前に毎日300本の素振りをノルマにしていた。そうしないと・・・

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