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2015年シーズンへの課題 西武&DeNA

 

2015年の西武は勝率.450で07年以来、7年ぶりの負け越しで5位に終わった。79年に福岡から所沢に本拠地を移した1年目以来の悪い成績である。一方のDeNAは67勝75敗で13年連続の負け越し。13年連続の負け越しはプロ野球史上5球団目のことだが、勝率.472は07年(.497)以来の好成績。しかも、6月までは勝率.426でありながら、7月以降に.514と勝ち越していたのは2015年シーズンへの期待を高めるものである。

埼玉西武ライオンズ


3割打者不在の貧打線

 5月4日、成田空港に西武と入団合意したエルネスト・メヒアが来日した。この選手がいなかったら、14年の西武は目も当てられない状態になっていたことだろう。

 5月15日の日本ハム戦(札幌ドーム)に五番・DHでデビューしたメヒアは、2回の初打席に火の出るようなライナーを左翼席中段にたたき込んだ。史上55人目の初打席本塁打。この一発に終わらずに106試合で34本を放ち、同僚の中村と並び本塁打王に輝いた。メヒアは本塁打王に輝いただけではない。打率.290もチーム第1位であり、3割打者不在(95年以来の3割打者ゼロ)のチームにあって存在感を発揮した。

▲途中加入ながら本塁打王に輝いたメヒア。下位に沈んだ西武にあって抜群の存在感を発揮した



 メヒア、中村で68本塁打だが、この2人を除くと打席に立った30人で57本。2ケタ本塁打は14本の浅村、10本の木村の2人であった。チーム打率.248は両リーグを通じてのワーストである。

 その一方で、チームで1234三振は日本ハムの1151を抜くプロ野球ワースト記録。15三振以上を3度も喫し、2ケタ三振は両リーグ最多の52試合。こんなチームであるだけに打率.290で156三振したものの、メヒアがいなかったら、とんだ惨状を呈するところだった。

 しかも試合が6回に入ると、力がガタ落ちするチームであった。1回から5回までのチーム打率は.255だが、6回を過ぎると.242にダウンしてしまう。本塁打も5回までは2643打数の78本で33.9打数に1本出ていたが、6回以降は2116打数で47本とは45.0打数で1本とガクンと少なくなる。

 浅村は5回までは打率.278で11本塁打。21.1打数に1本打っているが、6回を過ぎると打率は.266。本塁打も203打数で3本と67.7打数に1本しか打てていない。捕手の炭谷も5回までは打率.188で223打数で6本塁打と37.2打数に1本だが、6回以降は打率.222だが、本塁打は158打数で1本だけだ。

 従って1回82点、2回71点、3回68点、4回53点、5回は66点と、ここまでは340得点挙げている打線も6回以降は234点に減少する。ここで各球団の1〜5回と6回以降の得点数を比べると・・・

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