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ファームから熱き魂で挑む! 進撃のHOPEたち

広島・高木翔斗 発見の連続から見えた自分「ピッチャーを支えるのはキャッチャー。勝ったときの喜びを味わえるのが、一番大きい」

 

先週号(4月10日号)からスタートした、今後の飛躍が楽しみな逸材に迫るインタビュー企画。第2回は、小学1年のときから捕手ひと筋、今もなお、その魅力に魅了され続けている若鯉だ。だからこそ、2年目はしっかりと成長した姿を見せる。
取材・構成=菅原梨恵 写真=佐々木萌、佐藤真一、球団提供

広島高木翔斗[捕手/2年目/20歳]


 すべてにおいて圧倒されたルーキーイヤーを経て、自分の在り方を確立していく1年が始まった。チームは12球団屈指の“捕手王国”。ただ、ポジションへのこだわりは先輩たちにも負けていない。捕手の魅力、それは原動力にもなっている。

──2年目のシーズンを過ごす中で、昨季からの変化は感じていますか。

高木 昨年はすべてが初めてのことばかりで何もかもが分からない状態でのスタートだったんですけど、今年はいい意味で気持ちに余裕ができてきています。昨年とは違った感じで野球ができているなと、自分でも感じています。

──どんな部分が変わってきた?

高木 例えば、トレーニングであったり、バッティング練習であったりも、どんどんと変わってきています。というのも、プロに入って金属バットから木製バットに変わったことで、まったく対応し切れなくて。コーチの方からいろいろと教わる中で、すべてを吸収しようとしてしまって、頭が混乱したこともあったんです。ただ、1年間経験して、今年はしっかりと自分に合ったものを見つけていこうと。

──1年間やってきての収穫というところは、何かありましたか。

高木 昨季は(二軍で)22試合に出ましたが、代打だったり、最後の1イニングでマスクをかぶったりが多くて。大して何もやっていないと思いますし、自分の実力のなさとプロのレベルの高さというのを、ただただ痛感しただけでした。

──自分に足りないもの、まず何をやっていかないといけないと思いましたか。

高木 まずは体のキレを出すというところ、ですね。あと、自分はキャッチャーなので、バッティングよりも守備のほうに、まずは重きを置いて。ピッチャーをうまくリードして試合をつくっていかないといけないので、考え方を変えていかないといけないなと思いました。

昨年は対応に苦慮した木製バット。打撃面において体のキレがポイントになる


──キャッチャーとしてボールを受ける上でも高校時代との違いを感じましたか。

高木 一番感じたのは、プロの人って本当に細かいところまで考えているんだな、ということですね。例えば、キャッチングだったら、ピンポイントで、ミットの決められたところで取っている。今まではそこまで考えたことがなくて。スローイングでも早くするためには、体の位置やステップにまで気を配らないといけない。これがプロなんだなと感じました。

──高木選手と言えば小学1年生から捕手をやってきて、キャリアとしては先輩方にも負けていません。

高木 それでも発見の連続でしたね。プロに入るまでは、キャッチャーのことに関して担当コーチに教わるということもなかった。秋のキャンプから倉(倉義和)コーチが二軍に来られて(※一軍バッテリーコーチから配置転換)、ずっと基礎中の基礎から、徹底的に教わっているので、言われたことを毎日コツコツやっていけば変わっていくはず。自分の中にある芯は絶対にブラさずに、「自分はこうなるんだ」というのを決めて、そこに向かって頑張っていきたいと思います。

──いろいろ教わっている中で大切にしていること、意識していることは?

高木 技術的なところでは『キャッチング』ですね。キャッチングが変わってくれば、スローイングなども変わってくる。技術的なところ以外だったら『考え方』。配球、リードというところは大事です。いくら肩が強くて、キャッチングがうまくても、ピッチャーをリードできなければ試合には勝てないので。ピッチャーをしっかりとリードして信頼してもらえるように、ですね。

──ピッチャーも一人ひとり、いろいろとタイプが違います。

高木 それぞれに得意な球種があったり、それこそ同じピッチャーでもその日の調子によって変わってくる部分は多いです。そこはしっかりと普段からコミュニケーションを取るということを大事にしていますし、それがキャッチャーの役割。うまく引っ張っていけるようにやっていきたいです。

──先輩ピッチャーとのコミュニケーションに難しさはないですか。

高木 昨年はめちゃくちゃ難しく感じました。やっぱり高卒1年目で、みんな大人じゃないですか。それに高校野球とプロ野球では考え方が全然違うと感じた。何を言ったらいいのかが、まったく分からなかったんです。でも今は臆することなく、先輩方に対しても「どうですか?」と常に聞くようにしてやっています。

自分のプレースタイルで


──考え方というところは、コーチの方から影響を受けているのですか。

高木 それもありますし、一軍を経験された先輩方にいろいろと話を聞くことも多いですね。これまでの自分は、自分の感覚だったりを大事にしていて。自分を強く持っていた。ただ、昨年やっていく中で、それだとダメだなと思う部分もあって。プライドじゃないですけど、そういうものを一旦置いて、周りの人の話も聞いてみようと。そうやって、自分の感覚と周りの人の考えを照らし合わせたときに、ズレているなと感じたことも多かったんです。何かちょっと、いらないプライドだったなって気づかされました。

──捕手ひと筋でやってきた高木選手にとって、捕手の魅力というのは?

高木 やっぱり勝ったときはうれしいですし、負けたときはめちゃくちゃ悔しい。野球の主役と言うとピッチャーかなと思うんですけど、それを支えるのはキャッチャー。勝ったときの喜びを味わえるのが、一番大きいかなと思いますね。

──打たれたときにはピッチャー以上に責められることもありますが。

高木 そうですね(苦笑)。でも、そういうポジションなので。それも含めて、やり甲斐を感じています。

──一軍の正捕手争いに始まり、チーム内のポジション競争は年々激しさを増しています。勝ち抜くためには何が必要だと思いますか。

高木 自分のプレースタイルというものをしっかりと考えてやっていかないといけないと思っています。僕は足が速くはないので、単打よりも外野の間を抜く長打を打てるバッターになりたいですし、キャッチャーとしては特別、肩が強いというわけでもないので、正確性というところをもう少し上げていかないと。あとは、ピッチャーをどうリードするか、そこが一番、キャッチャーが求められるところ。『勝てるキャッチャー』を目指してやっていきます。

──今季はどんな1年にしていきたい?

高木 昨季は試合に出るチャンスがあまりなかったので、まずは二軍の試合に多く出る。実戦でたくさん経験を積んでいって、その中で自分が成長できるようにやっていきたいですし、一番は一軍の舞台でデビューしたいので、目標に向けて、しっかりと毎日やっていく。そのためには、気持ち的なところも大事かなと思います。結構落ち込んでしまうタイプなので(苦笑)、1日1日、1試合1試合、切り替えて臨めるようにしないと、ですね。

深堀りQ&A


Q. 将来の目標を力強く宣言して!

Q. 自身の性格をひと言で表すと?

A. 変に真面目過ぎます。例えば、「こうしてみたら?」と言われたときに、それだけに集中しちゃって周りが見えなくなってしまうこともある。でも、キャッチャーは切り替えができないとダメなので。いいものは吸収しつつ、メリハリをつけてやっていけたらと思います。

Q. 「翔斗(しょうと)」という名前の由来は?

A. 父が野球をやっていて野球にちなんだ名前をつけたいということで、漢字には「大きく羽ばたいてほしい」という意味も込められています。父はずっとピッチャーをやっていました。2021年秋のドラフト会議で指名されたときは高校の監督室で見ていて、「今までの人生の中で一番泣いた」というくらい喜んでくれましたね。もっともっと活躍する姿を見せていきたいです。

Q. 休みの日は何をしている?

A. 治療に行ったり、それこそ温泉が好きなので、温泉行って、サウナに入ったり。全部リセットしてリフレッシュしたいので、温泉は結構、頻繁に行きます。近くにいいところがあるので、いつもそこに行っています。

Q. 好きな食べ物、嫌いな食べ物は?

A. 海鮮が好きなので、海鮮丼が一番ですね(*^^*)。広島名物の牡蠣も大好きなんですけど、この間のオフに初めてあたってしまって……。それでもまた食べたいなと思いますが、シーズン中は食べられないので、オフの楽しみですね。逆に苦手なのはパプリカ。野菜はめちゃくちゃ好きなんですけど、パプリカだけ食べられない。と言っても、食べず嫌いなだけなんですけどね(笑)

【2023年ウエスタン打撃成績】(4月2日現在)
3試合、打率.333、2安打、0本塁打、4打点、0盗塁

PROFILE
たかぎ・しょうと●2003年8月12日生まれ。188cm87kg。右投右打。岐阜県出身。[甲]県岐阜商高-広島22(7)=2年。
輝け!未来のスターたち

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1軍での活躍を目標に2軍で力を蓄える若手選手を紹介する連載企画。

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