快足を飛ばしチームの走塁改革に一役買ったのは
西武から移籍1年目の
エステバン・ヘルマン。2013年の
オリックスの盗塁数はリーグ5位の84。今季は141試合を終えた時点で121盗塁を記録するなど走塁の意識を180度変えた。
「自分に求められているものは分かっている。塁に出てホームにかえってくる。勝利のためにできることをやるだけさ」。シーズン中盤までは主に一番打者としてチームを引っ張り、終盤には六番として勝負強い打撃で貢献した。
ヘルマンの代名詞でもあるヘッドスライディング。恐れることなく次の塁を狙う姿勢に森脇監督も「チームにスピードをもたらしたのは間違いなくヘルマン。盗塁がすべてじゃないが、走るという姿はほかの選手にも影響を与えている」と評価している。ヘルマンと三遊間を組み盗塁王の目標を立てる安達も「盗塁で一番必要なのは一歩目を切る勇気。あれだけスタートを切れるのはすごい。自分も盗めるところはどんどん盗んでいきたい」と目を丸くするほどだ。
日本で積み重ねてきたものが形となったのは9月25日の西武戦(京セラドーム)。接戦をものにし、2位ながらマジック7を点灯させた試合で偉大な選手に肩を並べた。初回に中前打で出塁するとすかさず二盗を決めシーズン30盗塁をマーク。外国人では58~60年・阪急の
ロベルト・バルボン以来となる、3年連続30盗塁の偉業を達成した。
今年で36歳。衰え知らずの肉体は日々進化している。今季から2年契約を結んでいるが「これで満足することなく自分の力を出し切りたい。攻守走でチームに貢献したい」。頼もしい助っ人が今後も森脇オリックスを支えていく。