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楽天・島内宏明 一投一打に全力を/生え抜きの輝き

 


 昨年12月の契約更改交渉後、取材に応じた島内宏明の表情は険しかった。「久しぶりに1年を通して苦しいシーズンだった」と言葉を絞り出すように振り返った。昨季は104試合に出場し打率.236。2022年には161安打で最多安打のタイトルを獲得したバットマンが、不振にあえいだ。

 開幕からまさかの絶不調で、5月の月間打率は.167、6月の月間打率は.176とスランプを抜け出せなかった。7月上旬には約5年ぶりに一軍登録を抹消された。このままでは終われない。今季は4年契約の最終年でもある。「なんとかタイトル争いをもう1回できるように頑張りたい。こういう立場で上に立って優勝したいという気持ちは強い」と言葉に力を込めた。

 1月1日、出身地の石川県が能登半島地震に見舞われた。生まれ故郷を襲った未曽有の災害。小松市出身で星稜高OBの島内が受けたショックは計り知れない。9日には同県出身の3選手、釜田スコアラーら計4人で合計60万円を、義援金として寄付したことを発表した。

 球団を通じて「令和6年能登半島地震により被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。今後も故郷・石川県へ継続的な支援をしていきたいですし、地元の皆様が少しでも元気になっていただけるようなプレーをお見せできればと思います」などとコメントした島内。東日本大震災を乗り越え、13年には日本一に輝いた球団の生え抜き選手としてできることは一つだ。一投一打に心血を注ぎ、今年は能登半島に勇気と感動を届ける。

写真=BBM
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