
東海大から入社した小玉がホンダ熊本との1回戦で先制適時三塁打を放った[写真=牛島寿人]
5大会ぶりの大阪は復活への第一歩
2016年以来となる京セラドーム大阪での勝利を目指したSUBARUだったが、惜しくもサヨナラ負け。2017年に富士重工業から社名変更後初の社会人日本選手権で6年ぶりの勝利はならなかった。
大会6日目第1試合、出場32チーム中最後の登場となったSUBARUは、2回表に入社1年目の
小玉佳吾(東海大)の適時三塁打で1点を先制。制球力に優れるエース左腕・阿部博光(東洋大)の力投もあり九州を代表する強豪・ホンダ熊本と互角以上に渡り合った。しかし、2対2で迎えた9回裏に一死一、三塁のピンチを招くと、バッテリーミスで力尽きた(2対3)。試合後の冨村優希監督(立正大)は反省材料を挙げた。
「相手は昨年の都市対抗準優勝で、今年もJABA大会(岡山大会、北海道大会)を2つ制している。力の差は歴然でしたけど選手が頑張ってくれて、食らいついていく展開は良かったかなと思います。(9回は)満塁にすると押し出しだったり、ゾーンが小さくなってしまうので勝負して、四球になってしまったら仕方ないということで勝負しました。こちらとしましては3、4点取らないと勝てないなというのがありました」
チャンスを作りながらも、足りなかった、あと一押しを振り返った。
地域が強く願う都市対抗出場
SUBARUの陸上部は今年1月のニューイヤー駅伝で初の準優勝。この明るい話題に続くべく、野球部も奮闘すると都市対抗予選でも1000人以上が応援に駆けつけた。そのエールは選手にしっかり届いていたが、チームは北関東二次予選の第2代表決定戦で敗退し、4年ぶりの出場を逃した。都市対抗では日立製作所の補強選手として東京ドームのマウンドに立った阿部は回顧する。
「日立製作所の応援団も素晴らしいんですけど、やっぱり、今回の日本選手権のスタンドを見るとSUBARUのマークであったりSUBARUの方たちがたくさんいたので、すごく投げやすかったですし、気持ち良かったです」
冨村監督も「すごく力になりましたし、いろいろなプレッシャーはありますけど、それを力に変えて一丸となって頑張っていこうと話をしていたので、すごく心強かったです」と感謝した。
また、指揮官は成果を話した。
「非常に若いチームなのでまた来年、地域の方も会社の方も都市対抗出場を願っていますので、期待に応えるためにしっかりやっていきたいです。本心を言えば2つ、3つ勝ちたかったなというところがあります。勝つ中でのプレッシャー、勝つ喜びを選手に味わってほしかったですけど、今大会は若い選手もよくやってくれたと思います」
先制適時打を放った小玉以外にも勝負強い後藤克基(法大)、俊足の中里亮太(獨協大)の入社1年目の2人が先発出場。有望新人が経験を積めた意義は大きい。守備と走塁で高いパフォーマンスを発揮する日置翔兼(立正大)は「攻撃も守備も細かいミスが出たので、来年はそれを課題にやっていきたい。全国でミスするとツケ込まれるというのは今日の反省です。競ったゲームができたのは自信にもなりましたし、またこういう舞台でやりたいと思った選手も多いと思います」と巻き返しを誓った。
SUBARUは2013年に日本選手権で準優勝。翌年の都市対抗でも決勝進出を果たしたが、近年の2大大会出場は日本選手権が2016年、都市対抗は2018年が最後だった。久々の全国の舞台が復活の第一歩となったはずだ。(取材・文=小中翔太)