一躍「時の人」となったのは、練習試合だった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、センバツ高校野球が中止。本来、甲子園で視察するはずだったスカウト陣が熱視線を送ったのは社会人投手だった。 取材・文=岡本朋祐、写真=田中慎一郎 
名前の由来は「希望を照らす」。本格派右腕は大卒2年目でのプロを目指している
3月17日。鎌ヶ谷で
日本ハム二軍に対し、3回2安打無失点に抑えた。NPB9球団の関係者が視察する中での好投だった。センバツ高校野球が史上初の中止。プロ相手にこれ以上ない“売り込み”となった。最速149キロ。4奪三振の内容にも、
山本晃希は納得していなかった。
「良いように見えても、分かる人には、分かったと思います。3月の鹿児島キャンプを終えて以降、ボールの指のかかりが悪く、うまく弾けず、スピンもかからなかった。インパクトの強いアピールにはなっていない。だからこそ、(4月以降の)JABA大会にかける思いは強かったんですが……。日本ハム戦後、修正して上がってきた矢先の緊急事態宣言。見せる場がなくなってしまったのは悔しいです」
昨年12月、
渡辺俊介監督(元
ロッテほか)就任。「自主練習が増えました。課題と向き合え、やりやすい」。緊急事態宣言中、チームを3班に分けての調整が続いた。ブルペンにも2人以上は入らない「三密」を回避し、コンディションを維持してきた。
「逆に今は冬の期間と同じ。もう1回、オフシーズンに取り組んできたことを見返し、強化できる時間にしています」
好きな言葉は「有言実行」で「決めたことは絶対、やる。成し遂げる」と、ブレない強い心を持っている。山本は自身の・・・
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