最後まで本来の輝きを取り戻せずに
2位の
DeNAはCSファーストステージで
巨人と10月11日から本拠地・横浜スタジアムで対戦する。シーズンとは違う短期決戦は一戦必勝の戦いになる。その中で、先発から救援に配置転換されたのがトレバー・バウアーだ。
2年ぶりにDeNAに復帰した今年はリーグ優勝と沢村賞を目標に掲げたが、苦しいシーズンになった。初登板となった3月29日の
中日戦(横浜)で6回8奪三振1失点の粘投だったが打線の援護に恵まれず、黒星スタートに。この登板後に上半身のコンディションを訴えて登録抹消された。4月中旬に一軍に復帰したが、好調を維持できない。急性副鼻腔炎に悩まされ、睡眠は4時間程度とコンディション調整に苦慮した。
2023年の交流戦で3勝0敗、防御率1.50をマークして初優勝の立役者となっている。「メンタル的には、パ・リーグと対戦しようとセ・リーグと同じように勝たないといけないことに変わりありません。チームとして全力を尽くし、勝ちを取りにいくというところだと思います。パ・リーグにも素晴らしい選手が数多くいます。彼らと対戦すること、自分の目でじかに見ることを楽しみにしています。ここまでフラストレーションがたまる結果になってしまっています。ただ、結果よりいい投球ができていると思います。ここからのシーズンの3分の1、終盤にかけていい結果になっていくことを自分自身、期待しています。気温が高い中で投げるのは好きなので、それに伴ってパフォーマンスも上がってくれればと思います」と語っていたが、今年の交流戦は4試合登板で1勝3敗、防御率5.63。マウンド上で首をかしげる場面が目立った。
6月6日の
日本ハム戦(横浜)で1失点完投勝利に抑えて4勝目を飾ったのを最後に白星から遠ざかり、8月中旬に腰の違和感で戦線離脱。シーズン最終登板となった10月1日の
ヤクルト戦(横浜)は3回4失点KO。本来の輝きを最後まで取り戻せないまま、21試合登板で4勝10敗、防御率4.51と悔しい結果に終わった。
CSに向けても不安が残る。調整登板となった10月8日の練習試合・日本通運戦(横浜)で4回からマウンドに上がり、1回5安打2四死球5失点と打ち込まれた。
「ひと言で言うなら『野球小僧』」
本番に向けて不安が残る中、気になるのが今オフの去就だ。メジャー復帰を希望しているが、現状では厳しい。DeNAが契約を延長するかも不透明だ。今年の推定年俸9億円から大幅減俸で、他球団が触手を伸ばすか。直球が常時150キロを計測し、中4日で先発登板するタフネスぶりは健在。グラウンド内外での立ち振る舞いが話題になるバウアーだが、野球に向き合う姿勢はナインに一目置かれている。
山本祐大は週刊ベースボールのコラムで、以下のように語っていた。
「外国人投手といえば、やはり皆さん気になるのはバウアーだと思うので、少し触れたいと思います。2年前、バウアーが初めて日本に来たときは、メジャーでサイ・
ヤング賞を獲った世界最高レベルの投手ということもあり、少し距離を取ってしまいました。そのときは自分からコミュニケーションを取りに行けず、ほとんど話した記憶がありません。2年前、バウアーが投げるときは伊藤(
伊藤光)さんがマスクをかぶっていましたが、今、思い返せば本当に良くなかったと思ったので、今年はできるだけコミュニケーションを取りながら、いろいろな話をしています。球場でのバウアーしか知りませんが、ひと言で言うなら『野球小僧』。本当に野球が大好きで、練習にも真摯に取り組んでいます。あれだけの選手が新しいことにトライしようとする姿勢も見ているので、自分一人ではできないかもしれませんが、いろんな人の手を借りながら導けるようにしていきたいです」
長い
トンネルから抜け出せないが、このまま終わるわけにはいかない。バウアーの投球はチームに大きな影響力をもたらす。リリーバーでチームの救世主になるパフォーマンスをDeNAファンは期待している。
写真=BBM