週刊ベースボールONLINE

2023プロ野球総決算号

【12球団ペナントレース総括】阪神・守り重視で投打がうまくかみ合い、18年ぶり&38年ぶりに「アレとアレ」達成

 

セ・リーグは阪神が18年ぶりのリーグ優勝、パ・リーグはオリックスがリーグ3連覇を果たした2023シーズン。セ・パともに王者がクライマックスシリーズも勝ち上がり、日本シリーズへ進出。史上2度目の“関西シリーズ”となった頂上決戦では4勝3敗で阪神がオリックスを退け、38年ぶり2度目の日本一に輝いた。色褪せない激闘の記憶──。セ・パ12球団の2023年の軌跡を振り返っていこう。


【シーズン成績】143試合85勝53敗5分勝率.616

 就任1年目で、38年間達成されていなかったことを成し遂げてしまった。岡田彰布監督が15年ぶりに阪神を指揮し、球団2度目の日本一へと導いたのだ。2005年以来、17年間優勝していないことから優勝を「アレ」と表現し、選手たちへ意識させないようにした。そこで球団スローガンも「A.R.E.」に。

 岡田監督はまず、守りの野球で戦い抜くために、守備の固定から手を付けた。正遊撃手だった中野拓夢を二塁へコンバートし、大山悠輔を一塁、佐藤輝明を三塁へ固定した。一方、空席となった遊撃手に木浪聖也小幡竜平を競わせ、捕手も梅野隆太郎を正捕手としながら坂本誠志郎と併用をしていく。

 投手陣は、2年連続でタイトルを獲得している青柳晃洋西勇輝を軸に若手をフラットに見極めた。春季キャンプ&オープン戦で成績を残した才木浩人西純矢、現役ドラフトで加入の大竹耕太郎を先発として、中継ぎでは村上頌樹石井大智らが開幕一軍をつかみ取る。

 迎えた開幕戦(対DeNA=京セラドーム)で勝利を収めると3連勝。次の対広島初戦(マツダ広島)にも勝ち4連勝と幸先の良いスタート。岡田監督は「連敗しない」「普通に戦う」という言葉を言い続け、3・4月は13勝10敗1分け。打者がボール球を打たず、四球が昨年以上に増え、得点も上がっていった。また投手では大竹耕太郎が好投し、開幕から6連勝。中継ぎで1試合を投げたあと先発に起用された村上が4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回まで完全投球。その後、先発ローテに定着し好投を続け、阪神快進撃の立役者となった。

 5月に入り19勝5敗と驚異のペースに乗せ5月末には独走状態に。しかし、交流戦に入ると打線が下降線をたどり、6月は8勝14敗1分け。それでも7月に打線が調子を戻すと11勝8敗2分けとし、「死のロード」と言われる8月に一気にチームが勢いづく。

 岡田監督は「ドームでの試合が多いから今年は死のロードではない」と言い続け・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

シーズン総決算号

シーズン総決算号

年度末に発売のシーズン総決算号

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング