得点圏打率(8月7日現在で.246)の数字以上に首脳陣、チームメートに勝負強さを期待される存在。それが二番打者として状況によっての貢献ができる
渡辺直人だ。「走者がいなかったら四球で出てくれる。走者一塁だったらつないでくれる。得点圏だったら決めにいってくれる」と、宮地打撃コーチが賛辞を惜しまないように、状況に応じた役割をきっちりとこなし、ここまで結果を残してきた。
規定打席での得点圏打率では、チームトップは三番の栗山(.294)だ。その栗山につなぐ立場だけに、よりどのようなバッティングをするかが重要になってくる。
得点圏時で渡辺に打席が回ると、「何かやってくれる!」「1点を取ってくれる!」というムードがベンチに自然に湧き上がってくる。象徴的な試合が、7月8日の
ロッテ戦(
西武ドーム)だ。3対3で迎えた延長12回。相手に1点を奪われるも、その裏、秋山の適時二塁打で同点に追いつき、さらに一死二塁のチャンスで打席が巡ってきた。「直人が逆転打を打ってくれるとちょっと思った」と田辺監督代行の脳裏に浮かんだ予感どおり、フルカウントから左中間への二塁打を放ち、チームをサヨナラ勝利へと導いた。この劇的な一打も、渡辺を『勝負強い選手』と印象付けるものとなった。
「実際の数字以上に、そういう雰囲気になるってことが、チームにとっては大きい。やっぱり勝負強いんだと思う」とは宮地打撃コーチ。
チームでは野手最年長の34歳。ベテランのバットに託されるのは、「直人さんなら、なんとかしてくれる」というチームメートからの大きな信頼だ。