週刊ベースボールONLINE


ベースボール温故知新
〜野球をより深く味わうために〜

 

球宴で突きつけられた「若きエース」はいても「若き大打者」は不在の現実。
掛布は23歳で球宴3連発。ONは22歳で本塁打王。
若さを取り戻せ!




 札幌、神宮、福島で行われた今年のオールスターは、若い戦力が躍動した。ルーキーの大谷翔平(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)、菅野智之(巨人)、小川泰弘(ヤクルト)が、思い切りのいい投打を見せ、澤村拓一(巨人)は力で押し、千賀滉大(ソフトバンク)も150キロを連発。菊池雄星(西武)も存在感をアピール。田中将大(楽天)、前田健太(広島)、吉川光夫(日本ハム)の力投は、MVP級なのだから当たり前。

 さて、ここまでに、読者の皆さんも打者の名が出てこないのは、おかしいと思いませんか? ちなみにこの10投手は、登板時点で、すべて25歳以下。

 この投手の若さの爆発に拮抗する若き打者がいれば、球宴は最高に盛り上がるのだが、この打者がいまの球界にはいないのだ。筆者は、「WEEKLY COLUMN」でも1度触れているが、この「若き大打者」の不在は結構深刻な問題ではないのか?

 第2戦で坂本勇人(巨人)が3安打したが、彼は24歳。今年のオールスターで25歳までに、何とか「若き大打者」と言われる可能性を残しているのは、彼と、中田翔(日本ハム=24歳)ぐらいではないだろうか。何とも寂しい限りである。

 球宴での打者の若き力の爆発と言えば、78年第3戦(7月25日、後楽園)での阪神・掛布雅之の猛打にとどめを刺すだろう。掛布は、全セの三番・サードで先発、4回裏、日本ハム・佐伯和司から右越えにソロホーマー。5回裏には阪急・佐藤義則からまたも右越えにソロホーマー。そして8回裏には阪急・山口高志から3打席連続の右越えソロホーマー(写真)。3万9233人の観衆の度肝を抜いた。

 3打席連発は、いまだに破られない(多分、永久に?)球宴の大記録。このとき、掛布は23歳と2カ月の若さ! 長嶋茂雄王貞治(ともに巨人)は、22歳でもう本塁打王を獲得。川上哲治(巨人)に至っては20歳という若さだ。

 21世紀に入って23歳以下で本塁打王のタイトルを獲った選手は2010年のT-岡田(当時22歳)のみ。飛ばない統一球ですぐにシュンとなるのは当然か。
文・岡江昇三郎
おんりい・いえすたでい

おんりい・いえすたでい

過去の写真から野球の歴史を振り返る読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング