現役時代は捕手として活躍し、監督も経験したデーブ大久保氏にデータの使い方について今と昔で違いはあるのか。あるのなら何が違うのかを聞いた。 取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM バッテリーコーチは試合中でもデータを見ながら捕手にアドバイスを伝えている/写真はイメージ。阪神・矢野コーチ=小山真司
コンピューターの活用で、傾向の「確率」は格段に上がったが……
3連戦の第1戦目に相手チームの直前3試合分のデータが、先乗りスコアラーから届けられます。これを基にまず、監督、コーチ会議がみっちり約1時間行われるんです。ここでバッテリーコーチと投手コーチから、この後に行われるバッテリーミーティングで話し合う内容が監督に報告されます。その報告とデータを見ながら、監督の考えを伝えます。この流れは昔からほぼ変わっていないと思います。
昔と違うところは、資料のボリューム。現在はコンピューターがあるのでその数は膨大。しかも何年分ものデータが蓄積されているので見たいと思う資料は、簡単に見ることができます。私の現役時代とデータ内容の違いはあるのか、というとそれはほとんど変化はありません。では何が大きく違うか……。これは膨大なデータからはじき出された「確率」が限りなく正確だ、ということです。
例えば、Aという打者がいます。この打者は1ボール1ストライクから投げられるスライダーに対して必ずバットを出す、という傾向が出たとします。昔は先乗りスコアラーのデータや、自分たちが作成したデータと照らし合わせた程度でした。しかし、今はそのスライダーが投げられたコースなども含めて、どの程度の確率でバットを振るかということが、一発で検索できるのです。そこに、先乗りスコアラーの直前3試合でのデータを照らし合わせ・・・
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