11月15日、マツダ広島で17回目となるトライアウトが開催された。今季、戦力外通告を受けた選手たちだけではなく、2016年以前にNPBを離れていた選手も参加。集ったスカウトたちの目に留まるべく、全力のアピールが繰り広げられた。 取材・文=吉見淳司、写真=太田裕史 選手に注がれる視線
午前9時過ぎ──。マツダ広島のグラウンドでは、さまざまなユニフォームに身を包んだ選手たちが、思い思いに体を動かしていた。
一見すれば、オールスターゲームのようでもある。だが、これから行われるのはある意味、華々しい球宴とは対極の世界。NPB復帰をかけた狭き門を目指す、12球団合同トライアウトの舞台だった。
開場前から列を作っていたファンは9時30分になると同時に、解放されていた内野スタンドへ。「K・NAKAMURA 68」の背ネームが書かれた広島のユニフォームを着た三宅富夫さん(56歳)が応援するのは、横浜商大高から10年育成ドラフト2位で広島に入団し、16年に支配下となったものの、一軍出場はなく、今季に戦力外となった
中村亘佑だ。
「高校時代からバッティングが良く、長打力のあるキャッチャー。素人目ですが、可能性を持っている選手だと思っています」と言葉に力がこもった。
ドラフトでは1位で広陵高・
中村奨成との交渉権を獲得した広島。ドラフト以前に
多田大輔、
松浦耕大が戦力外となっており、「もうないじゃろうと思っていたのですが・・・
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