海外FA、ポスティングでメジャー・リーグを目指す平野佳寿、涌井秀章、牧田和久、さらに今年でメジャー6年目を終えた青木宣親。それぞれ立場は違うが、いずれも2018年の所属球団が未定なのは変わりない。彼らの去就の見通しを徹底追跡する。 文=奥田秀樹 ※契約情報は12月18日時点 
17年オフ、日本からメジャー入りを目指す中では平野が最も早く契約を勝ち取りそうだ/写真=BBM
平野にはタイガースなど、牧田にはパドレスなどが興味を示す
メジャー・リーグ(MLB)のオフの市場は年々進行が遅くなっている。かつて(20年以上前)はウインター・ミーティング(2017年は12月11日から14日)でほぼ補強が完了していたのが、17年は特に遅い。
ネットサイト「トレードルーモア」のFAトップランキングの1位は
ダルビッシュ有投手(ドジャースFA)、2位がJ.D.マルチネス外野手(ダイヤモンドバックスFA)、3位がエリック・ホズマー一塁手(ロイヤルズFA)だが、ウインター・ミーティング期間中は17位まで誰も決まっていなかった。
15日、12位の
カルロス・サンタナ一塁手(インディアンスFA)が3年6000万ドルでフィリーズと、13位のザック・コザート遊撃手(レッズFA)が3年3800万ドルでエンゼルスと合意、ようやく動き始めた。
FA市場では通常ランクが上の選手から決まっていく。ゆえに平野佳寿投手(
オリックスFA)、牧田和久投手(
西武ポスティング)、涌井秀章投手(
ロッテFA)は自分たちの順番が来るのを待たねばならない。その中で一番に決まりそうなのが平野。ウインター・ミーティング中、ミドルリリーバー市場だけは活発に動き、ブランダン・モロー(ドジャースFA)が2年2100万ドルでカブスと、ジェイク・
マギー(ロッキーズFA)が3年2700万ドルでロッキーズとサインするなど、13件も決まった。年俸900万ドルの契約が目立ち、トップクラスの相場となった。平野にはこの金額はつかないが、タイガースなど複数の球団が積極的に動いている。複数年契約を勝ち取り、年内に決まりそうだ。
一方、牧田はポスティングゆえ、入団交渉の期間は米東部時間1月12日午前8時まで。それまでに決定する。ユニークなサブマリン投手で、ワールド・ベースボール・クラシックでも実力は証明済み。ドジャース、パドレスなどが興味を示している。一方でフライボールピッチャーゆえ、狭い球場の球団スカウトは獲得に消極的だった。真剣に興味を示すのは5球団前後か。年が明ければ、交渉相手を絞り込み、契約にこぎつける。担当のスティーブ・ヒラードは
黒田博樹の代理人でもあった。堅実な仕事ぶりで黒田の信頼を勝ち取った。
涌井は本人がメジャー契約にこだわるなら、厳しい。すでに書いたように先発市場は特に進行が遅く、ダルビッシュ、4位のジェイク・アリエッタ(カブスFA)のエース級ですら決まっていない。涌井は先発5番手の評価ゆえ、市場がその段階へ移るのは1月下旬かもしれない。ロッテが待てるのも限界があり、時間切れになってしまう。評価が低い涌井だが、実際のところ、MLBで通用するかどうかは投げてみないと分からない。アメリカでプレーしたいなら、06年の
斎藤隆のようにマイナー契約でも勝負すべきだと思うのである。
■2017年オフ、NPBからメジャー入りを目指す投手 ◇平野佳寿(オリックス) 58試合、3勝7敗8H29S、防御率2.67
◇涌井秀章(ロッテ) 25試合、5勝11敗0H0S、防御率3.99
◆牧田和久(西武) 58試合、3勝3敗28H0S、防御率2.30
※◇は海外FA、◆はポスティング 日本球界復帰は?青木宣親の動向
メジャー・リーグで6年間プレーしたベテランの青木宣親(メッツFA)は2018年もメジャー希望だが、日本球団でのプレーも視野に入れている。通算打率.285、出塁率.350の安打製造機ゆえ、引き続きメジャー契約はもらえそうだが、レギュラーとして雇ってもらえるかどうかは微妙。17年は3球団を転々とした。18年は36歳になり、日本で落ち着いてプレーするのも悪くない。
このポジションには本文で触れたマルチネスに加え、FAトップランキング7位のロレンゾ・
ケイン(ロイヤルズFA)など、上位選手は誰も決まっておらず青木クラスの契約交渉となるとまだまだ先。越年は必至だ。12月13日、ネズ・バレロ代理人は「ノリを評価してくれる数球団と話をしている。対話を継続していく」と話した。

メッツFAの青木宣親/写真=Getty Images