阪神は1月に、甲子園球場のマウンドの土を従来よりも硬くすることを発表した。多くのメジャー球場で使用している「ブラックスティック」という粘り気のある黒土を導入。試験的に宜野座キャンプで試した。どのように変化するのか、甲子園球場グラウンドキーパーで阪神園芸の金沢健児甲子園施設部長に話を聞いた。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
今季から甲子園のマウンドがメジャー仕様の土を採用し、掘れにくくなる
「ブラックスティック」はマウンド全体ではなく、マウンド前方の台形部分(下写真の部分)だけで使用する。投手のスパイクで削られて、マウンド周辺に飛び散ったものは集めて廃棄処分とし、甲子園のほかの部分に敷かれている土になじませることはしないという。
さらに「投手のスパイクで掘られた後の場所には、近くから土を持ってくるのではなく、このブラックスティックを新しく入れて固めることになります」と金沢氏。
硬度計で測ると硬さは従来の甲子園のマウンドよりやや硬くなるが、粘り気があるために、従来の土よりも削られにくい。メジャーの場合、この粘り気のある土をさらに叩きながら固めていくのだが、甲子園の場合は、この土を入れるだけで今までよりも硬くなるため、従来どおりの作業でならすだけだという。金沢氏は「新外国人のジョンソンからはメジャーに近いよ、と言ってもらいました」と語る。
これまで甲子園のマウンドには、掘れ過ぎないようにプレートの下に第二プレート(ゴム板)が入っていた。だが、今年からブラックスティックを使用することでそこまで掘れないことが分かり、ゴム板は入れないという。
一方、春夏の高校野球での・・・
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