ベイスターズを頂点まで導けるのはこの男しかいない。ポテンシャルは間違いなく日本人左腕ではトップクラス。しかし、プロ3年目の昨年、大スランプに陥った。どん底からの見事なカムバック。その要因となったものとは──本人の声に耳を傾けてみると、そこには独特な技術観が広がっていた。 取材・構成=滝川和臣 写真=幡原裕治(インタビュー)、BBM 
後半戦は自身の白星よりもチームの勝利に、とことんこだわっていく
マウンドで取り戻したボールを押し込む感覚
──ここまで17試合に登板して、9勝5敗QS13、防御率2.57。この数字を自己分析すると。
今永 勝ち星に関しては、野手の方がたくさん点を取っていただき、投げやすい環境をつくってくれたこともあり、自分が思った以上に勝つことができました。試合をつくれたことは、残りのシーズンに向けて自信にしていいのかなと思っています。
──“試合をつくる”目安はQS(クオリティスタート、6回3自責点以内)に置いていますか。
今永 その日の調子によってどこを目指すのかは変わってきます。試合前は8回、9回を投げ切りたいという思いが強いですが、試合に入ってから「ここまで投げ切りたいな」と目標にします。調子が悪いときは、「最低でも6回を投げ切って、3失点で抑えよう」と考えることもあります。
──ベンチに戻ると、
三浦大輔投手コーチから、そのようなアドバイスがあるのですか。
今永 先を見据えたアドバイスというよりも、そのイニングについて、例えば「体重の移動を気をつけよう」など言っていただけるので、僕としては試合中でも修正がしやすいですね。もちろん調子がいいときは「よし、このままいけ!」と言っていただくこともあります。
──開幕から、ほぼ毎週金曜に登板しています(4試合は木曜登板)。
今永 週末のカード頭に投げることが多いですね。エース級との対戦も多く、タフな試合もありますが、その中で自分も精神的にも成長ができています。試合に勝てば周りからの信頼も得ることができる。ものすごくやりがいを感じるローテの位置ですね。もっと、もっと苦しいところで投げたいという気持ちや、責任感もあります。
──
巨人・
菅野智之投手、
広島・
大瀬良大地投手、
ソフトバンク・
千賀滉大投手とのマッチアップもありました。
今永 相手エースと対戦するときは試合前のミーティングで
ラミレス監督から、「『今日は相手の投手に投げ勝つんだ』『絶対に相手より先にマウンドを降りないんだ』。そうした強い気持ちで投げてくれ」と言われます。さらに・・・
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