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阪神85周年 不屈の猛虎魂。タイガースは負けない

虎党ダンカンの熱烈トーク!僕らは、虎に飢えている! 開幕とともに、期待感が一気に爆発して選手を押せば、今年はミラクルが起きる予感がしています!

 

2年目を迎える矢野タイガースの見どころを、総おさらい。期待値が高かった分開幕延期がやるせない──。そんなファンの声を生粋の虎党ダンカン氏が代弁する。
※3月23日取材 取材・構成=滝川和臣 写真=BBM

ここ何年も若虎の前に立ち塞がる福留。ベテランを蹴落とす新戦力の登場に期待


セは団子状態。福留を越えていけ!


 野球がこの時期に見られないのが本当にもどかしく、早く満員のお客さんの前で選手がプレーしているのを見たいですね。でも開幕が伸びてくれたことは、阪神にはプラスに働くかもしれない。というのも、外国人選手の実力がまだ見えてこない。バレンティンなんて贅沢(ぜいたく)はいいません。それでも得点力不足の解消のために一発で勝負を決めてくれる助っ人は必要なんです。新助っ人のボーアは打球が上がらず、いまだ本塁打ゼロ。単打は打つけれど、詰まった当たりが内野の頭を越えていくような打球が多い。同じくサンズも差し込まれるケースが多く、きれいにヘッドをかえして左中間に運ぶような当たりがまだ見られません。2人とも打撃に関してもう少し時間がかかるなら、調整時間が取れることでいい方向に向かうかもしれない。

 でも外国人は実力の見極めが難しい。あのバースもオープン戦ではさっぱりだったからね。フィルダーなんて打撃練習のケージから打球が出ていかなくて「大丈夫かいな……」なんて思っていたら、あの活躍でしょう。その逆もあって、開幕前に評論家の誰もが絶賛したのにダメダメだったロサリオという例もある。現状では昨年からいるマルテは、ストライクとボールの見極めもでき、そこそこかなと。打線に関しては、ちょっと不安が多い中で開幕延期をプラスに変えていきたい。

 矢野燿大監督が掲げる近本(近本光司)の二番構想はよく理解できます。犠牲バントではなく、打たせてチャンスを拡大させる。近本は内野ゴロでも足があるからゲッツーがほとんどありませんからね。1点でも多く奪うという意志は分かります。でもジャブをいくら打っても、例えば巨人と東京ドームでやれば、一発で一気に試合をひっくり返されてしまう。そこで長打力の期待できる外国人を獲得したはずなんですが……。助っ人の打力に頼らざるを得ないジレンマはあります。

 セ・リーグは戦力的に飛び抜けている球団がなさそうです。昨年の阪神はペナントの最後に6連勝というミラクルがあって3位に入ったわけだけど、きちんとした野球をやればリーグ優勝はできるぞ、という手応えが矢野監督の中にあるんでしょうね。それが自信にあふれた矢野さんの発言につながっているんだと思う。そして、指揮官が現役時代から徹底してきた「1球のムダをなくそう」「ムダな失点をやめよう」という部分が選手たちに少しずつ浸透してきたのかなと。選手の底上げも感じられます。正二塁手にキャプテンの糸原健斗がおさまっていますが、上本博紀も控えている。遊撃には木浪聖也のほかに、北條史也がいる。三塁には、大山悠輔が昨年130試合に出ましたが、マルテの存在もあって安泰ではない。俊足の植田海も外野にも挑戦するなど使い道がありそうだし、レギュラーと控えの差が少なくなってきたと思います。

 私は優勝への「リトマス紙」として福留孝介の存在を挙げたい。今年43歳のベテランがいかに試合に出ないか、ですよ。彼がフルシーズンでレギュラーを張っているうちは、優勝は遠いと言っていい。「僕に任せてください!」と元気な若手外野手が出てくる状況になってきたときに、本当に強いタイガースになる気がします。福留は大好きだし、あの打撃をもっと見たいけど、われわれのようにずっと堪えてきた虎党からすれば、巨人V9を超える黄金時代を築いてほしいのです。それでも福留というカベは高いですよ。簡単には越えられない。今年も開幕予定だった3月20日に合わせて、打撃を最高の状態につくり上げてきていましたからね。

 打線の状況を踏まえると、今年も接戦の試合が多いと思います。となれば、昨季大活躍したジョンソンの穴を誰が埋めるか。新助っ人のエドワーズはボールの力強さはある。あとは制球力次第。本調子ではない島本浩也岩崎優が戻ってくれば、守屋功輝望月惇志が控え、抑えは藤川球児とリリーフ陣はそろっていますね。あとは、高橋遥人の起用をどうするか。すごくいい投球をしたと思ったら、次の試合が全然ダメだったり……。右打者のアウトローにズバーン!と決まるものすごいボールを投げるし、三振も取れる。先発はそろってきているから思い切って中継ぎに回しても面白いかもしれない。

ジョンソンに代わるセットアッパーとして期待されるエドワーズ。球威は十分


虎の四番を張る意味。大山よ、奮起せよ!


 個人的に気にかけているのが大山です。阪神の歴史をひも解いていくと、日本人の四番がしっかりしていた時代は強かった。田淵(田淵幸一)さん、掛布(掛布雅之)さん、生え抜きではないけれど、金本(金本知憲)さん。頼りになる男たちが四番にどかっと座り、仕事をこなした。外国人が頼りにならないと言っているわけじゃないんだけど、シーズンの勝負どころや、短期決戦になると「何とかしてやる!」という気持ちで、日本人の四番のほうが歯を食いしばって打席に立ってくれる気がする。

 阪神の四番に座り続けるのは、すごく大変なことなんです。注目度が高く、どこに行っても虎番記者に囲まれます。さらに甲子園のスタンドからは厳しい野次が飛んでくる。昨年、大山はあれだけ苦労して四番でバットを振り続けたんだから、それをバネにやってほしいなあ、というのはある。それをあっさりボーア、マルテが四番に入ったんでは納得できないですよね。大山はオープン戦で首位打者になりましたが、オープン戦はあくまでオープン戦。夏場を越えた、この1打席でシーズンが決まるという場面でいかに力を発揮できるか。かつて巨人の長嶋(長嶋茂雄)さんは、そうした場面でどんな形でも得点につなげてきた。栄光の「背番号3」を前に、タイガースは何度苦虫をかみ潰してきたことか。ここ一番でかっ飛ばせる四番を大山には目指してほしい。

開幕戦はボーアが四番に座る気配だが、和製大砲・大山を推す声も聞こえてくる


 投手で注目しているのが青柳晃洋です。先発として一番、期待できる。練習試合を見ている限り、左打者のアウトコースに強いボールを投げ込んでいたし、ちょっと曲げてバットの芯を外したり、いい投球ができている。3〜4年前とは同一人物とは思えないほどです。気になるのは、投手には誰しも調子の波があること。下がったときにシーズン開幕とならないようにしてほしい。白星がつかないと焦ってしまい、フォームも見失ってしまうことはよくあることだから。

 今回の新型コロナウイルスによるシーズン開幕延期で日本中が野球に飢えています。その中でも阪神ファンは“虎に飢えている”。その期待感が開幕とともに、一気に爆発して選手たちの背中を押せば、今年はミラクルが起きる予感がしています。その威力はセ・リーグ一、いや12球団一の爆発力でしょう。開幕が待ち遠しくてしかたありません。

甲子園に六甲おろし、ジェット風船が戻るのはいつになるのか。首を長くして虎ファンは待つ


2020セ・リーグ予想順位



 DeNA今永昇太はじめ、左投手がそろい、手強い。打者は新外人のオースティンソト、ロペスとうらやましいほど良さそう。でも、ハマスタは阪神の東の本拠地(19年勝率.667)ですから、どうにかなるでしょう。広島はメジャーを目指した菊池涼介が残留。日本で一番うまい内野手であるわけで、メジャーの球団に「獲ればよかった」と思わせる活躍を期待。投打がまとまるカープも阪神のライバルとなりそう。巨人の5位は「5G」を書きたかっただけ(笑)。これからの時代は「5G」ですよ。


ダンカンが斬る!猛虎Vへ3つの提言


【その1】藤浪の復活

 阪神ファン100人いたら、99人がこう言うでしょう。「藤浪が先発ローテで、それなりに投げれば優勝だ」と。昨年は彼が投げなくても、首位巨人と6ゲーム差。仮に10勝5敗していたら、優勝の行方は分からなかった。今では、阪神=藤浪と表現してもおかしくないほど復活の期待度は高い。

 私はヤクルトとのオープン戦(3月11日、神宮)を見て「復活」を確信しました。きっかけは一塁への「けん制」でした。最初のけん制は一塁手ボーアがぎりぎり捕球するほど大きく逸れた。直後のけん制は逆方向へ大きく逸れ、ボーアが再びナイスキャッチ。しかし3球連続で投げたけん制は、バチーンと構えたミットへストライク送球。自分の中で3つ投げることを選択して、最後にしっかりボールをコントロールすることができた。この瞬間、私はイップスを乗り越えられるなと感じました。この試合、4回を投げて四球は1つだけ。打者15人で3ボールになったのが6回ありましたが、粘れていた。丁寧に投げているようにも見えたが、それでも150キロ以上をマーク。ポテンシャルが違います。

【その2】ドームでのヤクルト戦

 五輪延期で日程がどうなるか分かりませんが、現時点で7、8月に東京ドームで予定されているヤクルト戦5試合がポイントでしょう。巨人がやるときはドーム内の空調機械室の扉はSPが守っているでしょうが、ヤクルト主催となれば警備は緩くなるはず。機械について誰かに勉強させて、阪神が利用する(笑)。得点力アップで5試合を取りにいきますよ。夏場に5つ貯金できれば大きい。戦う舞台をうまく活用するわけです。阪神時代の星野仙一監督からは「おまえ、東京ドームでの試合中に空調機械室のぞいてみてくれよ」と電話があったこともありました。上田次朗さんはティッシュをこまかく切って、巨人の攻撃のときの風を調べていたこともあったんだから、あながち無視できない要素ですよ。

【その3】つぶやき作戦

 矢野さんもノムさん(野村克也)に野球を教わった。現役時代、マスクをかぶったノムさんが打者にぶつぶつとつぶやいていたように、阪神は野手全員がボソボソとぼやきますか(笑)。走者が出たら「ウチの子どもが言うこと聞かなくてさ〜」とか。全選手が野村野球を実践する。かなり気持ちが悪いと思いますよ。それで敵をかく乱していきましょう!


PROFILE
ダンカン●本名・飯塚実。1959年1月3日生まれ。埼玉県出身。株式会社TAP所属のお笑いタレント。たけし軍団の一員としてメディアに出演する一方、放送作家としても数々の番組構成を手掛ける。映画、舞台への出演も多数あり、映画では監督、脚本も手掛ける。大の阪神ファンとしても知られており、サンケイスポーツのコラムなどの執筆活動も長年続けている
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