今年3月に中止となったセンバツ出場校が招待された「2020年甲子園高校野球交流試合」。各校1試合の真剣勝負で輝きを放った一人が152キロ右腕だった。3イニングをほぼ完全に封じ、ドラフト上位候補へ躍り出た。 取材・文=沢井史 写真=毛受亮介 
尽誠学園高との甲子園交流試合。6回から救援し3イニングを無失点に抑えた。圧倒的な投球でネット裏で視察したNPBスカウトの評価を高めた
高校最後となった1球は3年間の思いのすべて、渾身の力を込めた。
「追い込んでいたので、三振を取るイメージがあり、腕をしっかり振ることだけを考えました」
8月17日、尽誠学園高との甲子園交流試合は1対8の6回から救援した。先頭打者の三番・福井駿に149キロのツーシームを二塁打にされたが、続く仲村光陽、宝来真己を内野フライに打ち取り、六番・村上侑希斗を外角のフォークで空振り三振に仕留め、ピンチを脱した。7回にも安打は許したが、速球はコンスタントに140キロ後半をマークし、相手打者を詰まらせた。そこから
小林樹斗のボルテージはさらに上がり、最終回となった8回裏のマウンドは、外野フライで簡単に二死を奪うと、次打者の仲村にはストレートで追い込み、最後はこの日最速タイ151キロで空振り三振。これが、甲子園で投じた冒頭のラストボールだった。この日は139キロのチェンジアップ、140キロ前後のカットボールなどを駆使。試合はそのまま1対8で敗退を喫するも、2安打3奪三振無失点で強烈な印象を残した。
和歌山県高野連が主催した今夏の独自大会で、小林の投球は胸を躍らせた・・・
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