ここまでは猛打の阪神打線を見てきたが、矢野燿大監督が就任以来目指してきた攻撃の型がある。それが「超積極的野球」。打者はどんなときもすべての場面で1つでも次の塁を狙い、盗塁も3年連続でリーグトップだ(80個)。いつでも、どこからでも足で相手にプレッシャーを掛け続ける阪神打線の神髄とは――。 写真=BBM ※成績は8月19日現在 
3年連続盗塁王を狙う近本。相手バッテリーにいろいろと考えさせるような盗塁を仕掛けてくる
試合の流れをつかむ盗塁
ペナントレース再開となった8月13日の
広島戦(京セラドーム)は惜しくも敗戦スタート。翌14日の第2戦は2位・
巨人に1ゲーム差に詰め寄られ絶対負けられない試合だった。三番・
サンズが2本塁打、四番・
大山悠輔も同じく2発が出て9対3と快勝。しかし、足攻めによる最後の9点目があったからこそ、確実に1勝をモノにしたとも言える。
四番・大山の豪快なバックスクリーン弾で8対3とほぼ勝利が見えてきた7回裏。その後、簡単に二死となり迎えた七番・
中野拓夢がしぶとく右前打を放ち出塁。八番・
梅野隆太郎の打席で2ボール1ストライクからリーグトップタイとなる17個目の盗塁を決めた。そして次球を梅野がライト線へ適時打を放ち9対3。これで試合は決まった。二死からヒットと盗塁でチャンスを作り1点を奪う。まさに今季の阪神打線を象徴する攻撃だった。
「(盗塁や走塁は)勢いっていう部分では付くし、数字に表れない部分で相手にプレッシャーも掛かっている。走塁って、見た目にもムードが上がる」とは矢野耀大監督。就任以来「超積極的野球」で、攻めの走塁なら失敗しても責めない姿勢を貫き2年連続リーグ最多盗塁を記録している。もちろん今季もチーム80盗塁でリーグトップに立つ。
広島3連戦の勝ち越しを狙った15日。3回まで2点リードしながら・・・
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