三菱重工は2021年1月、各地に4チーム(広島、神戸・高砂、名古屋、横浜)あった硬式野球部を東西2チームに再編・統合。三菱重工Eastと三菱重工Westとして新たなスタートを切った。2チームは激戦区の都市対抗予選を突破し、東京ドームで目指すは社会人野球の頂点だ。全選手が、正真正銘のトップアスリートとして常勝を目指していく。それが「三菱重工スポーツチャレンジ」の理念だ。 取材・文=岡本朋祐 写真=石井愛子、BBM 
近畿地区二次予選は惜敗した第1代表、第2代表決定戦を経て、苦しみながらも、第3代表で出場を決めた
2021年1月12日。三菱重工West硬式野球部は三菱重工神戸造船所二見工場内にある二見グラウンドで、活動をスタートさせた。山口敏弘監督(東洋大)が、冒頭のミーティングでチームに確認した目標は一つであった。
「社会人日本選手権、都市対抗の二大大会で日本一になる」
山口監督は東洋大姫路高、東洋大を経て、三菱重工神戸で11年プレー(最後の2年はコーチ兼任)した。
「(都市対抗)10年連続出場表彰のタイミング(94年)で現役を退こうかと思ったんですが、補強選手だったんです。やはり、最後は自チームで出場したい、と。翌95年は
阪神淡路大震災。グラウンドは液状化で、亀裂も入り、3月まで使えませんでした。会社、地元のほか、多くの関係者の支えがあり『がんばろう 神戸』で、都市対抗に駒を進めることができました」
三菱重工への愛着は相当だ。95年の都市対抗後に監督に就任すると、97年の社会人日本選手権では、初優勝へ導いた。99年に退任後は社業に専念。その後、兵庫県野球連盟の副会長、NHKの高校野球解説を務め、19年8月、三菱重工神戸・高砂の監督に復帰し、引き続き再編・統合チームも陣頭指揮する立場となった。
指揮官が下した人員配置
昨年までの神戸・高砂チームを中心に名古屋から8人、広島から6人が加入し、36選手で始動した。指導スタッフと選手の橋渡しとなる主将には、33歳の森山誠(専大)が就任。三菱重工神戸・高砂では18年から役を務めており、山口監督からの信頼は厚い。
「名古屋と広島の良さを集約させて、Westになりました」(森山主将)
それぞれの「良さ」とは何なのか。
「広島は・・・
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