プロから能力を認められたドラフト1位指名選手。12人の逸材たちのポテンシャルはいかなるものか。ドラフト当日の表情とともにリポートする。 取材・文=前田恵 写真=川口洋邦 
社会人No.1投手の評価でヤクルト入り。3度目のドラフトでついにプロ入りを実現させた
大きかった調子の波 2度の指名漏れ
その名前が呼ばれた瞬間、東芝野球部寮の食堂は歓声に包まれた。
「おめでとう!」
野球部の面々が次々、
吉村貢司郎に祝福の声を掛けた。この日は午前10時からパナソニックとのオープン戦。試合後、各自の練習が終わっても皆、帰宅せず、吉村と一緒にドラフト会議の画面を見守っていてくれた。そんな仲間たちに感謝しながら、吉村はホッと胸をなでおろした。
自身、3度目のドラフトだった。
1度目は、国学院大4年の秋。その春、先発の座を獲得し、チームのエースに成長した。しかし、秋は右肩をケガし、リーグ戦のマウンドに上がったのは1試合のみ。正直、自信はなかった。それでも、プロはずっと追いかけてきた夢。プロ志望届を出すことは決めていた。ほんの少しの期待を持って迎えたドラフトで、しかし名前は呼ばれなかった。「まだまだ成長しなければ、プロには行けない」と、社会人・東芝への入社を決めた。
2度目のドラフトは、ドラフト解禁の入社2年目・・・
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