昨季は「捕手3人制」の巧みな運用もあって4年ぶりのV奪回を果たしたものの、新シーズンに向けて大きな変化がもたらされた。新顔にポジションを簡単には譲らない。競争の激化が底上げに直結していく。 写真=桜井ひとし 
甲斐の加入が岸田[右]や大城卓[左]をはじめとした捕手陣に特大の刺激を与えている
指揮官の熱望
黒とオレンジの真っ新な防具に身を包み、大きな声を張り上げる。
甲斐拓也はプロ入りから15年目の春季キャンプを、同じ宮崎でも昨年までとは違う青島方面、サンマリンスタジアムで迎えた。少年時代にあこがれていた
阿部慎之助監督が現役時代に背負った10番を着けた32歳は「自分自身、(移籍は)初めての経験。気持ちも新たに、すごく引き締まっています。キャンプは『土台づくり』だと思っているので、とにかくジャイアンツの野球を知る機会にしたい」と新鮮な日々を過ごしている。口ぶりからは高揚感がにじんでいた。
育成ドラフト6位で
ソフトバンクに入団し、「甲斐キャノン」と呼ばれた強肩を武器に不動の正捕手の地位を築いた。残留する道と熟考した末に決断した
巨人入り。その一番の理由にもなった阿部監督は7度のゴールデン・グラブ賞、4度の日本一に輝いた甲斐をこう評す。
「やっぱり彼は、日本を代表するキャッチャーですから。チームに与える安心感は絶大じゃないかな。(テレビ中継の)画面から見ていても、ピッチャーと表情だけで会話ができるようなキャッチャー」
同じく捕手出身の指揮官が「絶対的な司令塔が欲しい」と球団に要望して獲得が実現したという。宮崎キャンプ第1クールでは・・・
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