規格外の男が“ルール”まで変えてしまった。11月25日、セ・パ両リーグのベストナイン(有効投票総数セ=269票、パ=245票)が発表され、日本一に輝いた
日本ハムから最多“5選手”が選出されたが、
大谷翔平が投手と指名打者の2部門に登場し、驚いたファンも多いのではないか。実は昨季までは同一選手を複数ポジションで投票することを禁じてきたが、投打にわたる活躍を受けて、両リーグから選出を委嘱されているプロ野球記者会が、投手と野手との重複投票を認める決定を下しており、新規定適用1年目での史上初W受賞となった。

新規定適用1年目で投手とDHのベストナインW受賞を果たした大谷翔平
パの投手部門では2位・
石川歩(
ロッテ、69票)に42票差の111票、DH部門では2位・
デスパイネ(ロッテ、47票)の4倍に及ぶ190票と、いずれも大差をつけた大谷だが、「どちらも規定には乗っていないので……」と喜びは控えめ。確かに140回だった投球回は規定に3回、規定打席は443に61打席届いておらず、規定不足の投手としては98年の
佐々木主浩(横浜)以来2人目(ただし、先発では初)、指名打者としては同部門が表彰対象となった75年以降では10年の
福浦和也(ロッテ)に次いで2人目であるが、「チームは優勝しましたし、そういったところを評価してもらったのかなと思います」と最後は納得の表情を見せている。
ほかの話題に目を向けると、日本ハムと同じく
広島から5人が選出され、“神ってる”
鈴木誠也が両リーグ最多得票(266票)選手に。また、
糸井嘉男(
オリックス)が5度目の受賞で最多受賞、最も僅差での受賞はパ捕手部門の
田村龍弘で、2位・
大野奨太(日本ハム)を7票差(123票)で破っての初受賞だった。なお、パ2位の
ソフトバンクから8年ぶり受賞者なしは意外だった。
セ・リーグ ベストナイン
投手 広島・野村祐輔 150票/初受賞 16勝3敗0S0H 防2.71
捕手 広島・石原慶幸 150票/初受賞 率.202 0本塁打 17打点 4盗塁
一塁手 広島・新井貴浩 263票/2回目 率.300 19本塁打 101打点 0盗塁
二塁手 ヤクルト・山田哲人 154票/3回目 率.304 38本塁打 102打点 30盗塁
三塁手 巨人・村田修一 256票/4回目 率.302 25本塁打 81打点 1盗塁
遊撃手 巨人・坂本勇人 257票/3回目 率.344 23本塁打 75打点 13盗塁
外野手 DeNA・筒香嘉智 264票/2回目 率.322 44本塁打 110打点 0盗塁
外野手 広島・丸佳浩 192票/2回目 率.291 20本塁打 90打点 23盗塁
外野手 広島・鈴木誠也 266票/初受賞 率.335 29本塁打 95打点 16盗塁
パ・リーグ ベストナイン
投手 日本ハム・大谷翔平 111票/2回目 10勝4敗0S1H 防1.86
捕手 ロッテ・田村龍弘 123票/初受賞 率.256 2本塁打 38打点 6盗塁
一塁手 日本ハム・中田翔 130票/2回目 率.250 25本塁打 110打点 2盗塁
二塁手 西武・浅村栄斗 217票/初受賞 率.309 24本塁打 82打点 8盗塁
三塁手 日本ハム・レアード 238票/初受賞 率.263 39本塁打 97打点 0盗塁
遊撃手 ロッテ・鈴木大地 118票/2回目 率.285 6本塁打 61打点 3盗塁
外野手 日本ハム・西川遥輝 151票/初受賞 率.314 5本塁打 43打点 41盗塁
外野手 オリックス・糸井嘉男 214票/5回目 率.306 17本塁打 70打点 53盗塁
外野手 ロッテ・角中勝也 234票/2回目 率.339 8本塁打 69打点 12盗塁
DH 日本ハム・大谷翔平 190票/初受賞 率.322 22本塁打 67打点 7盗塁