宮崎、沖縄、アリゾナで12球団の一軍春季キャンプが始動した。どの球団も勝利を目指し精力的にメニューを消化しているが、ただ闇雲に汗を流しているのではない。自分たちの戦力を分析したうえで足りない部分を見極め、レベルアップを図る。3月末に幕を開けるペナントレースは、何を武器に戦うのか──。各球団の“強み”を分析すると、それぞれの特長が見えてきた。 
広島から石井琢朗コーチが新たに加入。打線の立て直しへ手腕を発揮する
■2018年ストロングポイント 新生・強力打線 ●スワローズ その他の強み ・補強で競争が激化した先発陣 ・外部から求めたベンチの“頭脳” 山田哲の完全復活へ石井琢コーチが助力
昨季のチーム打率.234、チーム本塁打95本、チーム得点473はいずれもリーグ最低の数字で、球団ワースト96敗を喫する要因となった。
川端慎吾、
畠山和洋といった主力打者の相次ぐ故障離脱が痛かったが、143試合に出場した
山田哲人は打率.247と精彩を欠いたことも事実。3年前にセ・リーグを制した強力打線の復活こそが、チーム再建の第一歩となる。
今季から打撃コーチに就任した石井琢朗コーチの手腕に期待がかかる。このキャンプでは、指導をスタートさせた秋季キャンプとほぼ同じメニューを課しているという。その際に「12月、1月の過ごし方が大事になってくる」と選手たちに話したが、選手たちの表情を見て「覚悟を決めてきたな、意識として変わってきたな」という印象を語った。
また、2015、16年と2年連続でトリプルスリーを達成した山田哲の復活が打線には必要不可欠だが、石井コーチは「顔つきが変わってきた。おそらくやってくれると思う。彼に関しては細かい指示は出していない」と信頼感を示す。これに対して山田哲は「この練習をやったら、打てるんじゃないかと思える」とうなずく。今季は大いに期待できそうだ。
白熱する四番争い。新打線はどうなる?
このオフは投手の補強がメーンで、打線のテコ入れがないことが不安視されていた。しかし、キャンプイン後に
青木宣親(前メッツ)の7年ぶり古巣復帰が決まり、2月6日に入団会見を行い、7日から全体練習に合流。これ以上ない戦力強化となった。ヘッドコーチに就任して以来、“鬼コーチ”ぶりを発揮し、かつてない練習量を選手に課している
宮本慎也ヘッドコーチは、「練習熱心な選手なので、周りに良い影響があると思う」と波及効果に期待している。
また、主砲争いも白熱している。フリー打撃では、日本でのプレーが8年目に突入する
バレンティンと、昨季に左ヒザ裏肉離れで長期離脱を余儀なくされた畠山和洋が並んで打ち、競い合うように柵越えを連発した。小川監督は「どちらかが四番を打てば、どちらかが六番」と構想を温めており、2018年版新打線の目玉であることは確かだ。
今季36歳を迎える畠山は「衰え始めたものは止まらない。いまは何とか止めるように、もたせるように」と危機感を隠さない。一方のバレンティンは「打順にこだわりはない。監督が決めることだから」と優等生発言。主砲の座に就くのはどちらか。
指揮官の決意表明 小川淳司監督「経験してきたものを出してチーム力増につなげる」
自分なりにも、4年ぶりということでワクワクした気持ちでいる。この気持ちは非常に大切。1年間、期待を込めて戦っていければ。勝利に欠かせない戦力にケガ人が出ないことが大事。1人ひとりがレベルアップして、体力強化ができればいい。(青木の復帰については)精神的にも技術的にも、すべてにおいて期待している。お手本になる選手。でも競争は変わりない。若い投手が多く、昨季1年で自信をつけた。走塁を絡めて点を取る野球を目指していく。今まで自分が経験してきたものを出して、チーム力アップにつなげたい。