ここまでは主にプロ野球の球場をたどってきたが、今度はアマチュア球界の戦地をクローズアップしよう。名門高校のグラウンドを、OB選手の思い出とともに紹介する。 
生駒山最奥部にあるグラウンド。保護者らが見守るための観客席も設けられている[右翼奥]
野球だけに集中
生駒山の一帯に、大阪桐蔭高の運営母体である学校法人・大阪産業大のグラウンドがある。大阪桐蔭高の前身は、大産大高大東校舎。だから、昨夏2度目の甲子園春夏連覇を果たした王者の専用グラウンドも、この敷地内にある。左翼96メートル、中堅110メートル、右翼90メートルで、内野の土は甲子園と同じ黒土を使用。外野は人工芝だ。ほか、3カ所のブルペンや室内練習場の一角にはウエート・ルームも完備。照明設備も充実し、夜間練習も可能だ。

グラウンド周辺地図
野球部は全寮制だが、相部屋は同学年同士。上下関係はなく「雑用は1年生」ということもない。原則、学校とグラウンド、寮で3年間を過ごすため、徹底的に野球に集中できる環境が整っている。
■充実の施設 甲子園出場20度を誇り、多くのプロ野球選手を輩出してきた強豪を支える、充実の施設の一部がこれだ。

室内練習場は広さ30メートル×15メートル

室内のブルペンには照明設備が

室内練習場の一角にはウエート・ルームも

選手寮の目の前にも打撃用ネット
OB・中村剛也の思い出

中村[大阪桐蔭高3年時]
練習に行くときはいつも憂うつでした。きつかったんで。特に1年生のとき。今でも覚えてます。練習場の門を入ったらすぐに坂道があるんです。だいたい70メートルくらいかな。ある日、同級生の1人が野球道具を忘れたか何かで、連帯責任で1年生全員、
練習中ずっと坂道ダッシュをしたことがあるんです。先輩の練習が終わるまでずっと。100本以上は走りましたね。今だから言えるんですけど、1学年20人くらいいたので、1人ずつ交代で休んでいたんですよ。少し見えにくい場所があって「次はおまえ、その次はおまえ」って代わりばんこで。ただ監督にはバレていたと思います。その後、先輩に聞いたら「オレらのときもやったよ」って言ってたんです。もしかすると、毎年そうやって何か理由をつけて走らせることで、団結させるじゃないですけど、そういう狙いがあったのかも。今思うと。監督に確認はしていないですけどね。

大阪桐蔭高時代、走り込む中村
【SCHOOL DATA】 大阪桐蔭高校
学校所在地/大阪府大東市中垣内3-1-1
創立(創部)/1983(1988)年
野球部監督/西谷浩一
主な卒業生/
浅村栄斗(
楽天)、
中田翔(
日本ハム)ら
甲子園実績/63勝12敗 優勝8度(春3度、夏5度)