6月4日にスタートした「日本生命セ・パ交流戦」。いつもとは対戦相手も変わり、当然戦いの様子も変わってくることになるが、その中ではどんな攻防が繰り広げられたのだろうか。ここでは、第1週のカードから3つのゲームをピックアップ、評論家3氏にプロの視点での解説をお願いした。まずは昨年の日本シリーズのカードであり、セ・パ首位同士のカードともなった広島-ソフトバンクの第2戦から。広島OBでもあり、昨年までソフトバンクのヘッドコーチを務めた達川光男氏の解説でお届けする。 解説=達川光男(野球解説者) 写真=松村真行 
このところ好調だった広島・ジョンソンだが、ソフトバンクの機動力による揺さぶりの前に敗れた
H打線が見せた機動力攻撃への執念
ホークスが2回に
甲斐拓也の盗塁から先制、5回に
真砂勇介のセーフティーバントでジョンソン(
クリス・ジョンソン)のエラーを誘い、そこから決勝点を取るなど、機動力を絡めた攻撃で、ジョンソンを攻略した、という試合だった。
私も昨年までホークスのベンチにいた立場なので、あまり作戦的な詳しいことは言えないけれども、差し支えない範囲で言えば、去年の日本シリーズの時点から、「ジョンソンは普通に打っていくだけでは攻略は難しい」というスコアラーからの報告があり、日本シリーズ(第6戦)では
内川聖一に送りバントをさせてのスクイズ、そのあと
グラシアルのホームランが出て勝てたけれども、やはり足を絡めた攻撃をしようというのはあった。この日もそれに基づいて、
森浩之ヘッドコーチ以下がしっかりと研究して作戦を立て、実行して攻めたということだと思う。
加えてこの日は、故障者が多いということもあるけれども、ホークスのメンバーには走れる選手がたくさん入っていた。一番の真砂、二番の
明石健志、七番の
釜元豪、八番の
高田知季。六番の甲斐も、キャッチャーだけど足は速いけんね。なおのこと、そういう攻撃をしていこうという姿勢になったのだろう。
1回に塁に出た明石が、けん制に誘い出されながらも、ファーストの
バティスタがボールを握り直したことで盗塁成功。ジョンソンはそのあと抑えたけど、もうここから、ちょっとイライラして・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン