アメリカはコロラド州デンバーの出身で、ボストンにあるハーバード大学出身タレントのパックン。ロッキーズとレッドソックスの大ファンでMLBにも造詣が深い。アメリカ人で日本の文化も熟知している彼から見た大谷翔平のすごさ、そしてアメリカでの人気について聞いた。 
まさか球宴で先発し、一番を打つとは思わなかったというパックン。予想以上の活躍で驚かされる毎日だという
打って走るだけでもスゴい
もともと日本のファンの皆さん、そして僕、それにエンゼルスの首脳陣やチームメート、地元の記者、エンゼルスファンは、彼の能力が素晴らしいのは知っています。ここ最近はなかなかホームランが出なくて、少し失速していますが、今年の大谷翔平選手の活躍を文字で表すと「いやいやいや!」です。
ホームランを打つたびに「え? また!」「今日も?」のあとに「いやいやいや!」が付くんです(笑)。「まさか、この先まで(こういう活躍が)続くはずがないよ」という「まさか」という活躍の繰り返しでした。
当然、みんなは「大谷なら10勝&10本塁打はできるんじゃないか?」と思っていた。それが今シーズン、44ホームランも打っているんですよ! そこに23スチール(盗塁)まで決めて、9勝を挙げている。最初の期待をはるかに超えて「いやいやいや!」の活躍なんです。
40本以上のホームランと20個以上のスチールをシーズンで決めている選手はほとんどいない。あのウィリー・
メイズ、ホセ・カンセコにアレックス・
ロドリゲスという選手くらいしか到達していないんです。ピッチャーとしての成績を取り払っても「いやいやいや!」な活躍をしている。これだけでもすごいことなのです。
さらに打ってから一塁まで到達する速度はMLBの中で2番目の速さという数字も出ています。1番のブレーブスの、オジー・アルビーズは173cmで74kg。大谷は彼より20cmも高く20kg以上も重い、スラッガータイプの選手なのに、足も速いって「いやいやいや!」もので、あり得ないことです。
もちろん、エンゼルスで一番優れた打者で、エースという選手だとは思っていましたが、まさか、オールスターで先発のマウンドに上がって、リードオフ(一番打者)をするとは思ってもみなかったです。オールスターでそういうことが起こるとは懐かしい言い方でいうと「想定外」です!
僕自身、アメリカの・・・
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