大谷翔平の2022年は終わった。史上初の偉業をいくつも作り上げた。本格的なシーズンを通してのリアル二刀流2年目。本塁打の数は落ちたが、それ以外の成績は軒並みアップ。未知数の数字をたたき出すその活躍に日米中が注目し、興奮したシーズンとなった。 写真=Getty Images 成績は現地時間10月5日現在(シーズン終了) 
自己最多の15勝に200奪三振超え、規定投球回突破と投手としてさらなる進化を見せた
【投球成績】2022年_28試合15勝9敗、166回219振、防御率2.33 【打撃成績】2022年_157試合160安34本95点11盗、打率.273 誰もやったことがないことを淡々と162試合やり続けた。打者では規定打席をはるかに超えた。投手では現地時間10月5日のアスレチックス戦で1イニングを投げたところで規定投球回をクリア。大谷翔平はMLB史上初、あのベース・ルースさえなし得なかったダブル規定突破をしてみせた。
「2つやっている段階で(規定に)乗るかは自分として目指す数字なのかどうかはやってみないと分からない。それが分かったのは良かった」
まさにパイオニア。誰もやったことのない世界で、ただ一人プレーを続ける。作られた道がないからこそ、1歩ずつ歩んで行った。投手部門では勝利数リーグ4位タイ、防御率4位、奪三振3位、奪三振率1位。打撃では本塁打4位、打点7位と投打でエリートクラスの成績で、投打ともに昨年以上の成長を示した。
本塁打数は昨年よりも12本減った(46→34)。ホームラン性の当たりがフェンス際で失速する打球もあった。これは一昨年に採用された反発の低い公式球が今年全球団に行き渡り、統一されたから。明らかに飛距離が落ちた。ア・リーグ年間本塁打記録を更新した(62本塁打)ヤンキースのアーロン・ジャッジ以外の全員に当てはまる。
「逆方向の打球に関してはボールの影響がちょっと強いかなと思います。スピンのきいた打球は飛ばない印象が強かった」と大谷もレフト側の打球にその影響を感じていた。それでも今季は自己最速の打球を放ち、自己最多安打(160)を記録。本塁打減=打撃部門で成績が落ちたとは言えない。
初球のストライクを積極的に打ちにいく割合が格段に増えた。ベンチでタ
ブレットを見ながら、相手投手の対策を練った成果でもある。来年はいくつかルール改正となるが、打撃部門の大谷には追い風になるはずだ。まずはベースが大きくなる。足の速さを生かして内野安打が増える可能性がある。さらにシフトの禁止は大きなメリットだ。内野手は二塁ベースを境に左右2人ずつに分かれ、試合中にその位置を変更することはできない。そのため・・・
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