昨季は主に一番打者として起用され、自身初の規定打席到達を果たすなど、119安打を放ち、打率.279をマーク、一躍ブレークを果たしました。今季も同様に「一番に」と期待されていたようですが、オープン戦、練習試合と状態が上がらず、ライバルにその座を明け渡す形となってしまいました。開幕後は出番が限られていましたが、8月に入って状態が上向き、二番で先発出場の機会を増やしています。 
【チェックポイント】[8]バットは肩口からが理想[9]グリップが落ちヒザ、腰が開く×

【チェックポイント】[11]バットのヘッドが落ちる
【ポイント】合わせるフォーム
投球のラインに合わせようとする打ち方であることが、始動時の写真1でバットを寝かせて構えているところからもうかがえます。実際、写真9〜写真11のバットの出し方も、ラインに合わせていく形ですね(良い形ではありませんが)。極力余計な動きを省いて、ボールにコンタクトしていきたいという意識を感じるフォームですが、その意識が強いあまり、弊害も各所に生まれているように思います。
まず、ラインにいち早くバットを入れていきたいがために、写真9〜写真11と体からバットが離れていってしまいます。ラインに入れる意識自体は間違ってはいないと思いますが、体から離れたバットはコントロールを失い、いわゆる手打ちのようになってしまいます。また、この間、ボールに合わせようとするために体が早く開いているのも分かると思いますが、これではバットが走らず、仮に予想していたボールと異なり、例えば緩いボールで抜かれたときなど、ステップした場所でこらえて、ヘッドを走らせて拾う、ということができないと思います。力の強い打球というのは、相手のボールの威力を利用する場面もありますが、神里選手の写真9〜写真11のような力の抜けた形では、望めません。
写真8の形で右肩を我慢して、我慢して(つまり、右サイドにカベを作る意識)、ポンとバットを出してあげるほうがバットも走って、打球に力強さも加わるでしょう。今の形では当てるだけ。ラインの合わせ方にしても、写真9のように自らグリップを下げて、一気にラインの高さまでバットを落とす必要もないと思います。写真8のグリップ位置をキープし、肩口から素直に出してあげる。開きを抑えて、正しく腰の回転で回るだけで、ラインは合ってきます。この写真のときは、自らそのラインに入っていきますが、そのせいでバットのヘッドも落ちて、仮にラインに乗ったとしても、期待するような打球にはならないでしょう。
写真8まではとても良いフォームです。写真5で右足を高く上げた際にも軸足(左足)股関節にしっかりと乗り、内側体重で力のロスもありません。ステップしていっても頭の位置のブレもなく、とても良い始動なのですが、写真9以降、おかしくなってしまいました。ただ、写真はオープン戦時のもので、おそらく、絶不調のときだと思います。現在はこの部分がかなり改善され、フォームに力強さがありますね。(フォーム解説=
柴原洋)
PROFILE 神里和毅/かみざと・かずき●1994年1月17日生まれ。沖縄県出身。右投左打。179cm81kg。外野手。糸満高から中大に進学し、日本生命を経て2018年ドラフト2位で
DeNA入団。2年目の昨季、一番に定着して定位置を確保するとともに、規定打席に到達し、119安打を放った。攻守走3拍子揃った外野手。2020年の成績は21試合9安打1本塁打2打点2盗塁、率.360(8月6日時点)