V奪回へ、チームの心をひとつに束ねるリーダーに寄せられる信頼は厚い。選手会長兼キャプテン。不動の三番に座って勝負強さを発揮する
栗山巧の存在感は、さらに輝きを増している。
レギュラーに定着して今季が7年目。2008年に最多安打の初タイトルを手中にし08年、10年、11年にベストナイン、10年にゴールデングラブ賞を初受賞した。
「プレーでも、その姿勢と態度でもチームを先頭に立って引っ張っていける選手」と渡辺監督の信頼も揺るがないが、不思議なことに栗山は昨季まで球宴の舞台を1度も経験したことがない。
今季の活躍は特に目を見張るものがある。5月29日現在、打率.304、3本塁打、29点。「今年のウチの打線はつないで、つないで点を取る野球。開幕から中村不在? それをみんなでつないでカバーしないといけない」。3月、4月の通算成績は打率.366、2本塁打、リーグトップの24打点で自身初の月間MVPに輝いた。状況を見極めて結果に結びつける栗山のチームバッティングは、今年チームが掲げる「つなぐ野球」を象徴するものだ。
「打順は意識していないけど得点に絡んでいきたいと思っている。つなぐ野球なので今季は出塁率にもこだわっていきたい」
そのスタイルを主将が自ら率先してみせるから、打線全体へ相乗効果も計り知れない。交流戦前の得点圏打率.474もリーグトップ。昨年8月、左尺骨骨折して手術を受けたこともあり、今年は入念なストレッチを継続中で1試合1試合に懸ける万全の準備を施している 。オールスター初出場となれば、栗山ならではのプレーが見せ場を演出するはずだ。