チーム状況はどん底だった。投打の歯車がかみ合わず、5連敗で借金は今季ワーストの12。長年『定位置』だった最下位に一気に転がり落ちていきそうなチームを踏みとどまらせたのは、ベテラン
三浦大輔だった。
6月12日の
ロッテ戦(QVCマ
リン)。パ・リーグ首位を走る相手に快投。キレ味鋭いカットボールを軸に、変化球を絶妙な制球で操った。自身連敗中だったが先発の役割は果たし、調子は上向いていた。「自分の思うとおりにコントロールできていた。低く、低くと思っていた」。
チームは開幕からブランコの猛打爆発などもあり上々のスタートを切ったが、交流戦に入り失速。抑えの山口は不振が長引いた末、腰の違和感で出場選手登録を外れた。DHでの出場で奮起が期待された
ラミレスの調子も上がってこず、相手を圧倒した強力打線も湿りがちだった。9日の
オリックス戦(横浜)にも敗れ、本拠地では8連敗で交流戦は1勝11敗という不名誉な『逆内弁慶』ぶりを発揮してしまった。12日の試合はチームを包み込んでいた負の流れを断ち切るべく向かったマウンドだった。
三浦は8回まで得点圏に走者を進めず、好調の相手打線を散発の4安打に抑えてスコアボードに9つの『0』を並べた。最後の打者となった大松を右飛に打ち取ると、右腕を高々と突き上げた。昨年4月12日の
ヤクルト戦以来となる39歳5カ月での完封は、
小山正明の39歳1カ月を抜いて球団最年長記録となった。元気がなかったチームに刺激を与えるには十分過ぎる今季最多の121球の熱投。右腕は「完封は一番気持ちいいね」とさわやかに笑った。