ようやくマウンドに立った。ドラフト1位の
岩貞祐太が7月2日、初めてウエスタン・リーグの
中日戦(鳴尾浜)に先発登板し、3回2安打1失点。二軍戦ながらMAX142キロの投球で、即戦力サウスポーが遅まきながらスタートを切った。
「やっと1歩を踏み出したという感じがします。3つの三振も取れたし、これから徐々に段階を踏んでいきたいです」
苦難の1年目になった。今年1月の鳴尾浜球場での合同自主トレーニングの際に体調を崩して静養を強いられた。2月の春季キャンプは当初予定された一軍ではなく、高知安芸での二軍でキャンプ生活を送った。
一軍に合流後の2月15日の紅白戦、19日の
楽天戦(宜野座)で1イニングずつ登板して、大物の片りんを見せつけた。しかし、その直後に左ヒジ痛を発症し、そのままキャッチボールもできない状態に陥ってリハビリの日々が続いていた。
故障後初めてシート打撃に登板した6月12日には、球速140キロ台の真っすぐを投じて「違和感はなかったです。球速も徐々に上がっていくと思います」と復調への手応えを感じとっていた。
横浜商大でエースを争った楽天・西宮、
広島・大瀬良らプロ同期生の活躍が気にならないわけはなかった。「まだ刺激を受けるような立場ではない。自分にとっては、これからの方が大事だと思っています」と我慢を決め込んでいる。
MAX148キロのストレートが復活するまでは時間がかかりそうだ。しかし、岩貞は「一軍に上がったときには、
阪神に勝ちをつけられるようなピッチングをしたい」と晴れ舞台を夢見ている。