課題の先発陣強化のために大きな期待を寄せられてプロの世界に入ったはずだった。しかし一軍のマウンドにはまだ1度も立っていない(7月2日現在)。ドラフト1位ルーキー、
柿田裕太。今季も先発陣は十分とは言えず、チームは下位に沈んでいる。社会人野球の強豪、日本生命から鳴り物入りで入団した即戦力右腕が一軍デビューを果たす日が待たれる。
最初の思わぬ誤算は2月23日の
日本ハムとのオープン戦登板を右ヒジの張りで回避したこと。中畑監督は「今年のドラフト1位。簡単に壊すわけにはいかない。万全を期したい」と話した。慌てずに育成するプランへと変更された。
ペナントレースが開幕してもペースを崩さなかった。4月22日の
ロッテ戦(横須賀)で救援としてイースタン・リーグ初登板。5月11日には初めて先発マウンドを任された。先発投手として試合で投げながら一軍デビューが視野に入ってきた。
7月2日現在で8試合に登板し5勝2敗、防御率は3.43。ただ中畑監督は「(調子が)良いときが続かない」と話すと、川村投手コーチも「ブルペンで良くてもいかに実戦で結果を出していくか」と冷静に見ている。
将来のチームを支えるドラフト1位新人のデビュー戦は慎重に見極められることになりそうだ。ベテランの三浦と先発ローテーション6番手の座を懸けて争っているのが現状。ローテの都合上、初登板は後半戦にまでずれる可能性もある。「1年目から先発ローテーションに入っていけるように。持ち味をさらに磨く」。強い決意で臨んだ今季。ドラフト1位ルーキーが第1歩を踏み出せばチームは大いに活気づくはずだ。