天王山でデカイ仕事をやってのけた。3.5差の1、2位対決初戦だった9月16日
オリックス戦(京セラドーム)の9回二死一塁、ペーニャを遊ゴロ併殺打に打ち取った
大隣憲司は2012年7月15日の
ロッテ戦(ヤフードーム)以来、793日ぶりの完封勝利を飾った。「ローテを守ってきた投手をずらし、投げさせてもらえた。ありがたさを感じて、マウンドに上がりました。最高の結果を出せた」
先発陣を牽引した
スタンリッジを中5日で前日15日のロッテ戦(ヤフオクドーム)に回してまで、起用された中8日の大一番。その期待に十分、応えた。ピンチを乗り越えたのは難病で生まれた決め球だった。1点リードの2回二死満塁、平野恵を内角123キロのチェンジアップで空振り三振に仕留めた。「いままでないボール。打者は待っていなかったと思います」。言葉には自信があふれていた。
厚生労働相指定の難病・黄色じん帯骨化症の手術を受けたのは昨年6月。長くつらいリハビリで考えたのは、これまでの常識を覆す「左打者の内にチェンジアップを投げる」こと。12勝を挙げた12年は右打者の被打率.189に対し、対左は.302。対右打者より死球の可能性も高く、浮けばホームランボールだ。ただ、幸いにもイメージを現実に近づける時間はたっぷりあった。
難病を克服し、初勝利した際、大隣は言った。「中6日でローテーションを回るまでは復活ではない」。この日、試合後には120球を投げた自分に満足した。「(好調時へ)近づいてきている部分はあります」。背中にある約15センチの傷跡はまだ、赤くて、痛々しい。ただ、それが消えるより前に背番号28は完全復活を果たした。