2000安打はあと15本の和田、あと163本の荒木がいて、昨年9月に球界最年長勝利を達成した
山本昌は50歳での勝利という偉業を目指している。ベテランが多い
中日はとにかく大記録目前の選手が多い。そんな中、球界歴代1位が目の前なのが
谷繁元信監督兼選手だ。あと27試合出場すれば
野村克也氏の3017試合を抜いて球界の頂点に立つ。
「抜きます。抜けるように頑張ります」。こう野村超えを宣言したのが昨年11月の契約更改だった。自分自身が監督だけに出場か否かの操作は簡単ではあるが、自分をえこひいきするつもりはない。昨年は故障などに苦しんで91試合で打率.195だった。
「あの数字じゃダメ。すべての数字を上げていかないと。監督(の自分)にまだまだいけるじゃないかと思わせるような準備をしたい」と開幕に備えてきた。
春季キャンプの練習方法も変えた。兼任監督1年目だった昨年のキャンプはほかの選手と一緒にメニューどおりに練習して、その合間に監督として選手を見てきた。いわば選手業の合間に監督業をしていたわけだが今年は逆。キャンプ初日からメニュー表にある谷繁選手の欄は「フリー」。アップこそ一緒に参加したが、その後は自由に動いた。今年は監督業の合間に選手。時間を見つけては打撃練習、守備練習に励んだのだ。
「そうやることでノックを受ける時間も増えたし、打つ時間も増えた。思ったよりも充実したキャンプは過ごせたと思う」。自分である監督に使おうと思わせるだけの調整ができた。「若い選手には抜いてほしいけど、抜かせるつもりもないよ」。偉業達成のXデーは近い。